2015/08/19
さくらにかげつ 感想
![]() ![]() | 『さくらにかげつ』オレンジエール 発売日:2015/7/24 ☆☆☆☆+ |
今年度最大の期待作『さくらにかげつ』をようやくクリアしましたよ。
総評
ぽんこつを教育しながら絆を育むゲーム。世界よ、これがぽんこつだ。
作りはシナリオゲーの部類で、4人攻略後にエクストラルートが解放される構成。
ただ、純粋にシナリオで勝負するような内容ではないというか、それより魅力的だったのはキャラクターと雰囲気。序盤から中盤の平和で少しおかしな日常が、あるいは恋仲になってからのいちゃラブがずっと続いてほしかったと思わざるを得ない。
そんな中にも随所に「この後シリアスになります」的な予感を抱かせる伏線らしきものが散りばめられていて、そわそわしながらも先が気になるテキスト。これはなかなかクセになる味でございますね。
おまけにぽんこつが実に……いや限界を超えてぽんこつしており、そこも面白かったですw
個人的には、ヒロインがスーパーかわいくていちゃラブも高レベルだったので、もうちょっとサービスが欲しかった。具体的に言うと、もっとえっちなシーンとハーレムエンドが欲しい!(大声)
最後のシナリオはそっち方向がよかったなあ。いやまあ泣きゲーに笑いを求めているかのようなアレだとは思うのだけれど、ぽんこつヒロインとの生活が最高すぎて。
なお、「シナリオにキャラが食われるんじゃないか」という不安は全くの杞憂でした。
相当カッ飛ばしたぽんこつヒロイン、甘く切ない桜の花のようなストーリー、心地良い雰囲気が好きな人におすすめ。反対に、濃厚なエロス、重厚でガチなシナリオ、万人受けを意識したヒロインをお求めの人には合わなそう。
100%満足行ったというわけではないのですが、次回作が出たら100%買います。そんな不思議な魅力を持った作品でした。
――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ
幼馴染のぽんこつが転んで事故って死んて落ち込んでいたら、謎の天使が現れ4人のぽんこつを教育することになったでござる
というお話。
共通はラブコメ、個別でシリアスを乗り越えてエンディング。
そもそも「死んだ幼馴染にもう一度会いたい」というところから話が始まるため、頭空っぽにして萌えていられるゲームではありません。
それでも思ったよりはシリアスに傾かなかったかな。「ほんのり切ない」で留まった感じ。明かされる各キャラの秘密もほぼ予想の範囲内。
詩舞のラストのアレは予想外だったけどな! EDムービーが流れてる間ひたすら困惑したわ!
「二ヶ月」の間ぽんこつと共同生活を送って育成することになるのですが、それが少し短く感じました。調教もとい教育している描写が少なく、言ってしまえばどうでもいい内容で日々が過ぎ去っていくため、なんだかあんまり育成した感じがしなかったのが少し物足りない。
まあ個別ルートのことを考えると、あまり長くしないで正解だったのかもしれないけれど。でも「もっと見たかった」というのが正直な気持ち。
個別ルートも短め。ただこちらは短くても問題無し。
だって、若干ネタバレだけど、個別に入ると二人きりになっちゃうんですよね……。寂しすぎる。ガランとしてしまって……。
そんなところになゆがひょっこり帰ってきた時とか超笑顔になってしまうw いやほんと皆一緒がいいよー夢とか自立とかどうでもいいから一生このまま一緒に暮らそうぜー。
主人公が完璧に見えて肝心なところで無力なのが特徴的。これは不満を覚える人もいるかもしれないけれど、この作品に描かれているのは「当たり前」のかなしさ。人はいつか死ぬし、出会いがあれば別れもある。一人で何でも解決できやしないし、どうしようもない事なんて世の中には沢山ある。
それに、高スペック主人公もやはり年相応の少年で。物語を通してヒロインと共に成長していく姿が気持ちよかったです。
キャラクター
お気に入り順: 守里=ハコ>詩舞>なゆ
守里さんチョロかわいい。
何故か一人だけHシーンが1回多い守里。うむ、愛されヒロインである。
正直キャラがブレてた感もなくはないものの、超かわいいから問題無い。デレた守里といっしょにお風呂に入ったりなでなでしたりしたい。
エンディングが一番ハッピーエンドな感じで最高でした。まさにこういうのを求めてました! 的な。
実はしっかりしてるのかな? と思わせといて迷子になって泣いちゃう守里好き。
ハコも超かわいい。欲しい。(素)
一人で着替えもできないお風呂も入れない、そこら辺のぽんこつなんて到底太刀打ちできないウルトラぽんこつ。でも大和撫子になりたい頑張り屋さん。好き。
声がまたえらいかわいくてね……これは脳がとろけるやつやで。
ハコは最後に攻略するのがいいかもしれません。ハコルートやったらハコから目が離せなくなってしまう可能性が大なのでw
詩舞は一番まともなぽんこつ(矛盾)でした。主人公と一緒に守里をおちょくったりして同志みたいなポジションでもあるのが好感度高い。
背負っている「呪い」が厄介すぎて困ります。最後のあのまとめ方はさすがに強引すぎるけど仕方ないやね。
守里もだけど詩舞の笑顔が最高にかわいかったです。好き。
なゆ。おっぱい担当。
初対面なのに好感度MAXで、何の抵抗も無くいっしょにお風呂に入って「それ舐めてみてもいい?」とか言ってくるおそろしいぽんこつですが、個別ルートをクリアするとある程度納得。なるほどだ。
ムードメーカー的存在のなゆがいると大変安心します。好き。
謎のお面女、サクラ。意外な良キャラだった……!
地味に出番が多くて、一緒におふろに入れてよかったです。( ´∀`)b。
いかにもな感じからして真ヒロイン的ポジかなーと思っていたら――
サクラのためのファンディスクみたいなの欲しいなあ。
主人公の耶澄くんはいわゆる俺様主人公。自信満々で完璧超人で口が悪い。でもデレるとかわいい。
メンタル強いように見えて脆かったりするところがモテそう。(*´ω`)。
ただ、ヒロインの扱いがぞんざいなところが反感を買うかもしれません。いじわるしつつも惚れるとベタベタしたがったりする、案外子供っぽい男。でもそんなところもモテそう。(*´ω`)。
最初はもっと優しくしなよーって思ったけどすぐに気に入りました。好き。
ツヨメちゃんがやたら頼りがいのあるお姉さんだったのが面白かったです。この人こそ天使じゃなかろか。主人公がすごい懐いてるのも楽しかったw
CG
原画はおきつぐさん。エロゲ初原画でしょうか。
Hシーンはいまひとつなものが多かったし少し不安定だったものの、表情とか女の子らしい曲線が良かったです。ハコのおフェラも大変良かったです。
あとお風呂シーンがものすごくエロかったです。#おふろにかげつ
塗りも雰囲気にあっててお肌がエロくて綺麗で、素敵なグラフィックでした。
問題は数が少ないこと。フルプライスで65枚はちょっと無視できない少なさ。あとHシーンが1回ずつあって日常イベントにももう数枚あれば完璧でした。
やたらお風呂CGが多いのが特徴的。最高だと思います! #おふろにかげつ
声
ハコ役の蓬かすみさんがヤバかった。ヤバかわいい。声自体がかわいいのに演技がそれに拍車をかけている。桐谷華さん以来の大型新人ですよこれは……今後も要チェックやで。
音楽
繊細なBGMが雰囲気にとても合っていて、地味だけどすごく良かったです。100点。
システム
必要と思われる機能は揃っております。ただし、オートモードがクリックで途切れない設定だとか、シーンジャンプだとか、その手の気が利いたものは無し。個人的には問題無いけど不足と感じる人はいそう。
まとめ
期待したほどカッ飛んだりはしなかったけれど、満足行く出来でした。
フツーにオカルト要素が入ってきたり、強引な展開があったりと、綿密に練られた至高のシナリオというわけではなく、シナリオゲーと呼ぶには弱い。気がする。たぶん。
それでも先が気になってなかなか読ませるし、後に残るものも確かにある。ぽんこつとの日常も慣れるとクセになる味。完璧ではないにしろセンスを感じました。
とにかくもっと浸っていたいと思わせる最高の雰囲気で。「終わらせたくない」と思えるゲームは大変良いものです。そもそも2ヶ月でぽんこつを真人間にするなんて無理ゲーすぎると思うんです! 半年、いや2年くらいは最低限必要だよね。ね。
めでたくこのメーカーのファンになってしまったので次回作にも超期待。その前に前作やろうかな。
さくらにねんかんマダー?(・∀・)

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レビュー
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