2018/06/01

君と目覚める幾つかの方法 感想

君と目覚める幾つかの方法

『君と目覚める幾つかの方法』

Navel

★★★★+


君と目覚める幾つかの方法
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Navelの新作にして15周年記念作君と目覚める幾つかの方法コンプリートしました。


総評

まず最初に……1.87GBという容量を見て「もしや」とあからさまに警戒してしまったのだけれど、 ボリュームも画質音質も全く問題ありませんでしたすみませんでした!(土下座)
それと、私がNavelのタイトルをプレイしたのはこれが初めてですゆえあしからず。

近未来の秋葉原を舞台に、暗い陰謀に翻弄される登場人物たちの成長を描いた人間ドラマ。この作品の魅力はストーリーとキャラクターにあります。
魅力的なヒロインとコミカルな日常と不穏な事件が同居していて飽きさせない。ADVゲームとして構成も凝っている。そしておまけに縦横無尽に活躍する沢澤砂羽ボイス。

ストーリーの面白さとキャラ萌え、その両方を達成した貴重な成功例です。

不満といえばいくつかの点に対する物足りなさくらいで、全体的にとてもよく出来た、プレイして損の無い素晴らしいエロゲでした。万人にオススメ。

――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。

シナリオ

店先に落ちてた両足の無い少女を拾ったらヤバイ事件に巻き込まれたでござる。というお話。

企画・シナリオはブランド初起用のかずきふみ氏。おそらくNavel向けにカスタマイズされてはいるものの、ライターの色が強く出ています。つまり、ところどころにが落ちています。この世界にはまごうことなき悪意があります。

両親の借金返済のために両足を売り払った少女」というヒロインからして既に闇。事前情報をほとんど仕入れずに予約したので、足が不自由なヒロインと愛を育むピュアなハートフルストーリーかと思っていたら(自分の中のNavelのイメージ)、「敵」がいてびっくりしました。そっちか! いやでも考えてみれば当然か! みたいな。

といっても、NTRとかグロとかは無く、「ちょっとダークな要素もある萌えゲー」と言える範囲内だと思います。うん、たぶん。

ゆず茶はかずきふみファンではあるのですが、この人のやりたそうな闇深い話はあまり好きではなくて、ホームドラマのようなじんとくる話とか、日常のかけあいなんかが好きなのです。その点で言うと、苦手な方面もあったとはいえ、この『きみめざ』は満足いくものでした。
メインヒロインである初音に対する周囲の対応と本人の成長はまさに前者で、不穏が顔を出さない時は後者メインで。相変わらず心沁みるよいお話でした。

この作品で特に褒めたい部分は、主人公の仕事場兼住居でもある「伊奈モータース」という「場」の雰囲気の良さ。仲間が集まって、初音を加えて、繰り返される日常を過ごす場。主人公と同様にプレイヤーにとっても愛着がわくし、そのことが効果的に使われるシーンもある。とても好き。

対して、不満点を挙げると、一番最後のあっさり具合。やるのなら、余韻をもたせるためにもう少し盛り上げてほしかった。お? と期待させておいて、なんだこれだけかーって思わせるのはいかにももったいない。
サプライズがあるのは良い、嬉しい。でもその大きさが少し物足りない。

それと、この作品の中のオートマタは「都合の良い存在」でしかない点が気になってしまう。いくらロボット三原則をインプットされて、便利な道具としてプログラムされたとしても、自我を獲得してもまだ「人間に反抗するなど有り得ません」「我々はそういうものですから」で済むのだろうか。学習して世界を知り、新たな生命と言われるほどに心が成長しても、人類に歯向かえない奴隷であることに絶望しないのだろうか。

いやそっちに触れだしたら別ゲーになりますよ?
とわかってはいるのにどうしても気が散ってしまう性分のゆず茶ですよろしくお願いします。

……あんまり具体的なこと言っていないのはネタバレを避けようとしているからですスミマセン。シナリオについて知りたいなら、面白いからプレイすればいい。(真顔)


キャラクター

どのキャラも大変魅力的に描けている。満点です。

ヒロインのお気に入り順は 舞花>初音>みこと

闇のあるお話だから、舞花みたいな善良な女性に癒されるんです。「機械が苦手」という個性がやたら目立ってて困りまくっていたのもかわいい。おかんみたいに世話やいてくれたり気風が良かったりしつつ、しっかり女の子らしいところもかわいい。ボイスがまた絶妙に包容力に溢れていて。舞花には、そのスジの人であればバブみを感じることもあるでしょう。すき。

メインヒロインである初音も大変かわいかった。こちらも善良で、見た目通り心も真っ白な保護欲を刺激しまくりガール。ひたすらかわいい。
同ライターの過去作『もっと 姉、ちゃんとしようよっ!』のミオミオと少し似てる気がする。声の演技のせいかな。健気かわいい。
ちなみに両足無い設定はHシーンでは特に活用されませんでした。さすがにね。別の理由で個性的なHシーンだったけどね。超かわいい。

みことはエロ担当。幼馴染のおねーさんですよ! 幼馴染として過去の出来事、関係性の比重が大きかったのが印象的。何気に幼馴染の大人キャラってのも新鮮。なんだか強く興味を引く存在で、一番最初に攻略しました。


アイルとマキノというオートマタ二人も、とてもありがたいキャラでした。二人を作り上げたそうちゃんマジ有能。ファンディスクが出るならこの二人+あの子中心の話がいいな。アンケートに書いておこう。

由里花というサブキャラメガネもいて、プレイするまではバナナの皮に対するそれ以下の興味しか無かったのだけれど、今は本作のMVPだと思っています。主に笑わせ役のにぎやかしキャラなのに、要所要所でぶっこんでくるんだよね……号泣シーンすき。あとアカペラもすき。セックスしたがるところもすき。



まあ要するに沢澤砂羽ですわ。由里花のMVPはほぼボイスのおかげですわ。面白すぎた。ここまでさわさわさん大活躍なエロゲは久しぶり。沢澤砂羽は凄い。
舞花のボイスもなんだか大変気に入りました。今までプレイしたこの方の出演作の中ではベスト。

あと三鷹先輩役のKNOCK永街なる人物のオネエ演技が上手すぎでした。耳障りにならず、面白さも濃さも失わない、針の穴を通すような絶妙なオネエボイス。完璧です。おネエの鑑です。


パジャマ

アイルとマキノ、そして初音とは同居。つまりパジャマの出番だ。

よいね。
やっぱアイルとマキノ+1のファンディスクが欲しくなるね。あの子のパジャマとか超気になるね。アンケート書いておこう。あかさかくんも普段パジャマを着せられてそうで気になるね。


システム

エンジンはQLiE。画質オプションが豊富で、フォントの設定もiniファイルから細かくいじれて、非常に良い。バックログからのジャンプも可。

本作はルートロックがかかっていて、バッドエンドもあって、何度かやり直すことになるのだけれど、シーンスキップがあって快適でした。


まとめ

ストーリーの面白さとキャラ萌えの両立を成功させた良作。同じことを狙って失敗したり中途半端になったりする残念賞が多いだけに、これだけで買う理由になります。

ちょっとカドが取れてるなと感じさせる部分があったり、最後が物足りなかったり、あと一歩突出した何かが欲しかったりして成長の余地が残されているため、満点には届かない。でもそれに近いくらいよく出来たタイトルでした。

面白くてかわいかったし、一本で完結しているし、個人的に求めていたかずきふみ作ホームドラマ成分が楽しめたのでとても満足。

その後の日常編マダー?(・∀・)


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©Navel, Omegavision
23:56  レビュー | Comments(0)
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