2009/12/05

白光のヴァルーシア 感想


白光のヴァルーシア ~What a beautiful hopes~ (予約キャンペーン「白光のヴァルーシア サウンドトラック」付き)
Amazon.jp

『白光のヴァルーシア ~What a beautiful hopes~』


ライアーソフト
発売日:2009/11/20


☆☆☆☆

白光のヴァルーシア、コンプ。
クリア後の勢いに任せてレビューです。




スチームパンクシリーズ第4作目。
前々作、前作より暗く陰鬱な雰囲気は減り、タイトル通りのひかりの物語。
心震わせるドラマはそのままに、少し明るくなりました。


シナリオ

相変わらずの、何がなんだかわからないシナリオw 独自の世界観による専門用語や設定のみならず、繰り返し表現を好む文体と頻繁な視点移動。
ぶっちゃけ読みづらい。それがこのシリーズほぼ共通の特徴です。
ただそれを独特だと許容して、あるいは楽しんで、読み進めることができたなら。
これもまた相変わらず、面白い。
何がなんだかわからない序盤、わからないまま佳境へと進む中盤、そして一気に盛り上がりカタルシスをもたらすラスト。プレイ後の余韻。
お話として、魅力的なのです。

今作は明るい印象のタイトルや雰囲気で、ストーリーも概ねその通りでした。
恐怖と希望を主軸に据えて、登場人物達のそれぞれのドラマを経て、人の情念に問いかける物語。希望満ちる物語。
ミミルの結果に絶望し、レオがヒルド様に(性的な意味で)食われちまったとしても。
我らが万能王がヴァルーシアに在る限り、願いは叶うのです。
彼のおかげで後味の良いお話になりましたw
インガノックの時のようなショック、ある種の感動は無くても。ゆず茶はこちらの方が好きかも。


キャラクター

今回は前作シャルノスの時よりもキャラが少し弱い気がします。
フルボイスの影響なのかどうなのか、キャラクター一人一人の描写が薄い。というよりも散らばりすぎてるというか。一つの章ごとに特定のキャラのドラマほぼそれのみを描いていたシャルノスは、その点でキャラ特化といえたのかも。
あれと比べると、主人公の魅力の差が特に際立つ。というかメアリが素敵すぎたw

とはいえやっぱりどのキャラも良いです。
きれいで可愛いクセル。可愛い勇気あるアスル。万能の紳士レオ。その伴侶リザ。それで一作エロゲが作れそうなブラコンアナ。同シスコンカシム。情深きナナイ。ヤザタの旦那さま。話の長いランドルフ。声と口調に惹かれる貝の長老。何しに来たのかイマイチわかりづらいカルベルティ。などなど、好きになったキャラは多い。

ただ、あり得ない可愛さを誇るルクの出番が少なかったのが心残りだ…ッ!
でも私ゆず茶の敬愛するヒルド・ロメ・ダルクは予想以上の優遇されっぷりでした。ああ、ヒルド様、ヒルド様。そのうちファンアートで泣いてるヒルド様を描いて投稿しようかなーなんて思ってたら、本編でまさかの。
コレ読んでる人は今すぐ人気投票でヒルドに投票するといいよ!

カシムが予想以上に良いキャラでした。なかなかの。
アルディーンが予想より微妙な男でした。あんまり動いてないしな。
そして、ミミル。ミミル。ミミルかわいいよミミル。
そういえば聞くところによると、世にはラミアゲーなるものがあるとか……ゴクリ。

カルベルティはセレナリアの主要人物なわけですが、彼には何気にセレナリアをプレイしていないとわからない描写もあったりなんかするので、事前にやっておいた方がより楽しめると思います。DL版も出たし。きっと狙ってたんだろうな…嘘屋にしては上手い商売をする…!
とはいえ出番は少ないので未プレイでも問題無いかと。ちゃんと自分が何者なのかを焚き火に向けて独白してくれるしなw



一枚絵の主線がラフ状態ですw
テクスチャ使いまくりの、色彩豊かすぎの、とても独特で巷のエロゲとは一線を画すCG。相当好み別れそう。
単純に綺麗で自分は好き。もはやCGは見ての通りとしか。


H

今回はエロス分多め。
とはいえ本作も紛れも無くスチームパンクシリーズ。一般的なエロゲには比べるべくも無いw
そもそも主役が少年少女だしな!
エロスに期待してはいけません。いけません。

H描写で印象的だったのが、言葉でイく男。あらかわいい。
テキストはおよそ実用方面には程遠いけれども、個人的にはこのくらいのHシーンが読み物としては丁度良いです。


音楽

アラビア風という、難しそうなジャンルにしては良いと思います。
戦闘シーンの曲は結構好き。弦楽器が主旋律を奏でる曲も好き。
Vo曲はそれほどでもないかも。ふつー。
ちなみに予約特典サントラには作中未使用の曲が1曲含まれています。内容的にもオマケみたいなものかな。


システム

今回もゲームパートがあります。
ただシャルノスやセレナリアのような、いかにもミニゲームといったものではなく、演出の一環のような。インガノックのそれに近い。
歌にからめた今回のゲームシステム、個人的にはイマイチでした。もうちょっと「声」が興味深い内容ならよかったのに。それだとまんまインガノックですが。
ちなみに攻略情報。全ての選択肢は一番下が正解です。間違えるとEDでボイスが再生されないそうです(未確認)。

専門用語が多すぎとの意見が多かったのか、今作は用語集がシステムに組み込まれています。
ただ、その用語集の説明が本文のノリ=何がなんだかわからない。( ゚д゚ )。
終盤のアスルの台詞からも、もはや作り手としては、こまけぇこたぁいいんだよ的なスタンスなのかも。習うより慣れろ、みたいな。
用語集、悪くないアイデアではあるけれども、欲を言えばもっとわかりやすく、本文テキストからリンクで直接飛べればさらに良かったと思います。まぁそれをやると中の人が死ねそうではあるw



金田まひるさんが良い。自分の聞いた中ではまひる朕の一番の演技だと思う。
でもこれって野神奈々さんとか別の人でもよかったんじゃ…と思わなくもないw
ライアーは声優固定に近いからなー。劇団の新作劇みたいだ、という評にちょっと同意。
でもその分全員が素晴らしいお声だったと思います。
男キャラも相当良かった。ザハカの声とかムカついてしょうがないw 長老はいかにもって感じで印象的でした。


総評

シリーズファンなら言われるまでもなく買ってるだろうけれど。うん、買ってプレイするべき。
シリーズ初めての人は、セレナリア>ヴァルーシアの順番をおすすめ。欲を言えばセレナリア>インガノック>ヴァルーシア。
用語集はあるものの、やはり初心者には敷居は高い。シリーズファンでもよく理解できない事が多いので、ある意味差はそんなに無いのだけれどw
親切丁寧に全ては語られず、推測したり考察したり、アナログな楽しみ方を提供する作風な点に注意が必要です。

体験版で気になったのなら、クセの強い作風に抵抗が無ければ、きっと楽しめるはず。
少年少女の初心なラブラブっぷりにこっ恥ずかしい気持ちになること請け合いです。
期待以上とはいえないまでも、それを裏切らない出来ではありました。楽しかったです。ラストはシリーズ中でも本当に一番のお気に入り。

第5作目マダー?(・∀・)




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