2010/09/20

信天翁航海録 感想


信天翁航海録
Amazon.jp

『信天翁航海録』


レイルソフト
発売日:2010/07/23


☆☆☆☆++


信天翁航海録』読了。
これは…結構な良作だと思います。レイルソフトの三作品の中でも一番好き。大変楽しい物語でした。




数あるエロゲの中でも、その特異な文体と世界観で凄まじいニッチ感を醸し出す希氏によるレイルソフト作品、三作目。合わない人は裸足で逃げ出すこの作風、今回はそれでもかなりライトになっています。いやホントに。ライトノベル的とでも申しましょうか。
笑いあり、ワクワクあり、引き込まれる物語展開あり、エロスあり…おまけに酒と嘔吐ありありの、ダメ人間賛歌。
基本コメディ路線の、ファンタジー小説(?)です。


シナリオ

クロ、泪、シサム&キサラの3人(4人か)のヒロインルートをクリアした後、グランドエンドへ続く構成。
一癖どころではない個性を持つ登場人物達によるコメディものかと思いきや、やはりそこは希シナリオ、空気を保ちつつ恒例の異世界ファンタジーへ突入してゆきます。ファンタジーというか創作物というか。
雰囲気が基本的に明るくて、ノリも軽くて、でもしっかりと物語しております。

そんな中でもクロルートは暗めの展開。エンディングもかなりの変化球で。霞外籠の真エンドや紅殻の白子エンドもそうだけれど、あの退廃的な結末はきっと製作者の趣味ですよね…w 良いと思います。
クロの正体にはかなり驚きました。そうくるかー。

シサム&キサラルートはちょっと雑だったかも。わりと強引な展開。シサムが一人でなんとかなったのが腑に落ちないと言ってしまうのは無粋というものでしょか。
こちらはかなりのエロス展開が待ち受けていて、しかるべき方向性で作ればドロドロのぐちょぐちょでなんだか色々と大変なことになってたに違いない。CGの少なさが悔やまれます。
「ヤリ出せツノ出せち○こ出せ」が素敵でしたw

泪さんルートは別名智里ルート。密航者も存在感あるし、泪さん食われちゃってるよ…。
こちらのルート、元ネタの題材の使い方はとても上手い気がしました。そうきたかー。
不思議でメリハリもあってなかなかバランスよく面白かったです。

そして最後のルート。
かなりの駆け足展開、あっさり感はあるものの。お話そのものや終わり方がとっても好み。
朔屋の絶望と、乗組員達の怒りと、彼らのその行動と。すごく良い。
それにエンディングが最高。後味良くて、ワクワクをつなげてて、仲間達との…!ああいうのすごく好きなんです。思えばレイル作品は終わり方がどれも凄く良いな。


キャラクター

かなりキャラゲーな気がする。個性的にも程がある登場人物達。実際にいたら関わり合いにはなりたくない彼ら、けれどお話だからこそすごく魅力的で。この作品の良さは彼らキャラクター達によるところが大きいと思います。

ゆず茶が気に入った順は、
密航者>(智里)>シサム・キサラ>クロ>泪
密航者かわいいよ密航者。最後のあの母性的というか何というかな部分とかなんてもう。あとお尻も
最初はシサム&キサラのおっぱい に夢中だったけれど、あの男前すぎるキャラに何かが殺がれましたw 野月まひるさんまじ名演技。
クロはおつむが可哀想な子すぎて良いんだかアレなんだかわからないすごく不思議なキャラ。守ってあげたい!というのを通り越してうざ…ああでもやはり放っておけない…!むしろ二人で引きこもり万歳!みたいな。あとクロはHの最中でも嘔吐を披露してくれる稀有な人材。

そして殺し屋智里さんですよ。
イマイチよくわからないのだけれど、彼は過去作キャラ?って前二作には出てないよね。ファンクラブ会報も読んでるつもりだったけど見逃したか記憶の彼方へ飛んだか。販促チラシ6号に載ってるらしいのですがスルーしたんです。(´・ω・`)。創作世界(レイル作品の舞台)を行き来するキャラクターの一人という認識でいいのかな。渡し守や十湖とも面識があるみたいで。
※追記:ファンクラブ会報で度々出てきているキャラクターでした。完全に忘れてた。(゚Д゚)。

ともあれ智里は良キャラすぎですw 朔屋との友情めいた行なんかはすごく好き。
殺し屋が出てきたときの安心感は異常。

また、今作の魅力の大部分を担う主人公朔屋直正。
こんなダメ人間見た事無いよ!ひどいことするわ。
特に、自分がいかに無能であるかを悟りきって虚勢を張らない所がなんともたまらない。痛々しいのと若干うざいのとかわいらしいのとなんかもうごちゃごちゃと色々。
サイテーなんだけどすごく好きなキャラです。


CG

マットで漫画的なCGが世界観によく合っています。
何といってもキャラデザが素晴らしい。朔屋とクロのダメコンビの表情とかもう最高。それに密航者や泪やシサム・キサラは可愛くて素敵で。男キャラは男キャラで味があって。

CG枚数は背景含めて少な目に感じました。もうちょっと豪華だと嬉しかったかな。


音楽

「嗚呼、信天翁は今日も往く」がすごく好き。
他にもBGMはかなりハイレベルな気がする。最近では珍しく音楽が気になったゲームでした。


総評

ファンタジー風味で、雰囲気が良くて、面白楽しくて、キャラが魅力的…しかも最後のエンディングの後味の良さ!ゆず茶の好みど真ん中ですよ。そりゃ評価も高くなりますよ。
客観的に見ると、作風とかどこか病んでるところとかが人を選んだり、CG少なかったり、質的にも☆5つ超オススメ!とまでは言い難いんですが、すごく好きな作品なのでこの評価。
間違いなく良作です。興味がある人は、ぜひ。

エンディング後の続編マダー?(・∀・)



(2010 9/22 加筆修正)

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