2011/12/19

花散峪山人考 感想


花散峪山人考
Amazon.jp

『花散峪山人考』


レイルソフト
発売日:2011/11/25


☆☆☆+


『花散峪山人考』読了。
キチ○イがいたー!((((;゚Д゚)))。

総評

狂える伊波さんの復讐劇。
前作信天翁のような明るさ軽さは一切無く、霞外籠や紅殻の鄙びた佇まいもどこへやら。
ただひたすらに怨嗟と怪の気が漂う。

希氏による、やたらと修飾過多で懐古趣味的な文章は今作も健在。現実から乖離した不思
議の存在もまた。この希節が読めるのはレイルソフトだけ!
もちろん、続きものというわけではないので、初レイルな人でも無問題でございます。

今回は狂気以外がちょっと弱かったなー。
評価は悩んだ末に紅殻と同じ星3つ。決して悪いわけではなく、好みも大きいです。
陰鬱で退廃的で狂気の官能怪奇小説…そんな作品が楽しみたい方におすすめ。(・ω・)b。

――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ

途中まで「うおお何これマジやべぇ えらいモンに手を出してしまった…」みたいな気持ち
で一杯で、ドン引きしながらプレイしてましたw
それが終始続くのかというと、そうでない所がこの作品の深さであり、ちょっぴり残念と
も思える所であり。いやまぁ続いてないわけじゃないのだけれど。

それにしても、今回のはちょいと悪趣味に過ぎると思うのはゆず茶だけでしょか。
主人公といちの主従関係、それ自体をどうこう言うつもりはなく、しかしこうまざまざと
見せつけられては。というか、登場キャラの関わる物語展開のほとんどが胸クソ悪く、
後に残るは是とも非とも言えない微妙なやり切れなさ。
前からレイル作品は病んでいたけれど、こうまで、ある種練られたような病的な嫌らしさ
極まる展開の連続には、さすがに悪酔いします。端的に言えば好みではない。

とはいえ、面白かったかどうかと問われれば、それは確かに面白かった。
嫌らしさはさておき、伊波さんの容赦無いマジ鬼畜+マジ気狂い=マジキチっぷりは
怖気立つような刺激をもたらしてくれるし、まるで先が読めない不思議展開等、物語に引
き込むのもさすがに上手い。
最終章も希ワールド全開で興味深かったり。

希ワールドといえばBADエンド。
鈴子のは素晴らしいクオリティでしたw 相変わらず病んでいらっしゃる。

ちなみに今作では、日本の山間部の人々の生活や伝承が背景となっており、その辺りを
読み説くには柳田國男を参照するといいみたい。ゆず茶は全くわからんちん。(・ω・)。
出てくるネタをその都度Google検索するのが関の山でございますよ。

キャラクター

リンドウのキャラに困惑した人手挙げてー。(´・ω・)ノ。
めっさネタバレなので触れづらいけれど。リンドウ様はヤバイ。リンドウ様がヤバすぎて
こっちがヤバイ。助けてリンドウ様!おっぱい!

鈴子もヤバイ。(頭悪い文章垂れ流しですみません)
こちらもまた予想外キャラで。鈴子の章が刺激のピークだった気がする。
中の人の演技もあって、妙にエロかわいかったです。おかげでこっちがヤバイ。

京香さんはもう少し出番欲しかったかなぁ。エロ要員としてもっと頑張ってくれたら…!

いち。いちもまたネタバレ満載。
この子は、上で述べた「好みじゃない」の最大要因とも言える子で。何とも。
野月さんの高い声は珍しくて良かったです。こういう役もできるのね。

総じてキャラクターは弱めな印象。これはお話の構造上の問題なんでしょね。
――主人公、伊波さんを除いて。

伊波さんマジ狂人。((((;゚Д゚)))。
完全に伊波さんゲーです。彼による彼のための復讐劇。
およそ常人には理解しがたい、というか狂っているのだから当然なのだけれど、その思考
と行動のダイナミックな凶悪さ。清々しいまでの禍々しさ。ギャーイナミサーン!
しかし魅力的かというと、どうなのだろうw カッ飛んではいるよね。遥か彼方へ。

ところで、復讐劇といえば、同じく今年発売の『Vermilion』の主人公トシローさんと伊波さん
は、かなり境遇が似てますね。
でもマジキチっぷりは伊波さんの圧勝w どうしてこうなった。

あと、椿啓文とは何者だったのだろう。渡し守とか殺し屋と似たような人種なんだろか。

H

とってもエロい。
ヒロインがらめぇとかひぎぃとかおほぉとか、あるいは卑語があれば良しとするような
現代的ソレではなく、官能小説めいた、文章が脳裏に作用する活字媒体独特の淫猥さ。
伊波さんの危なさとこのエロさ、まさしく18禁です。


やっぱり高槻つばささんのお声は素晴らしい。劇団嘘屋の中で一番好きだー。
青葉りんごさんの、少し味のついたロリボイスも素敵でした。エロかわいい。

主人公に声が無かったのが残念です。伊波さんの狂気ボイスを聞いてみたかった。
演技大変そうだけどもw

システム

文章と画面のレイアウトが選べるのは良いと思います。(ゆず茶はデフォ設定)
マウスホイールで読み進められないのはマイナス。
あと全体的にチープさが目立つのはまぁ前からだからなぁ…w ホイールだけ対応してくれ
れば個人的には不満は無いです。

ボリュームがちょっと少なかった。
まぁそれもいつものことだしねー…。(諦観に近いものを感じつつ)
CG枚数も60枚と少ないのだけれど、使いどころが上手かったのか、殊更に足りないという
印象は無かったです。やりおる。

まとめ

好みの作風ではないのは最初からわかっていたので、そこは良いとして。(と言いつつ評価
に影響している感は否めない)
面白かった、けれど信天翁や霞外籠と比べると…という感じ。
話はやたらめったら重いわりに、どこか軽い。キャラや世界をもっと肉付けして欲しかった。

復讐鬼としての伊波さん、予想を裏切るキャラと展開、という点は目を見張るものがあり、
一定以上には楽しめました。レイルソフトファンとしてもそこそこ満足。
次の新作にも期待です。

ライアー&レイルファンディスクでの伊波さん無双マダー?(・∀・)




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