2012/10/04

Zero Infinity -Devil of Maxwell- 感想


Zero Infinity -Devil of Maxwell-
Amazon.jp

『Zero Infinity -Devil of Maxwell-』


light
発売日:2012/9/28


☆☆☆☆


Zero Infinity』コンプしました。
lightによる燃えゲー最新作。人の心と科学の物語、大変熱かったです。

総評

Vermilion』チームの新作ということで、渋さ深さを備えた熱い中二ドラマの再来が期待
された本作、しかしながら、出されたのはバトル特化ゲー。また、製作者の執念が垣間
見えるエロス強化も有り。なんだか派手になってました。(゚Д゚)。

正直言って、残念な気持ちもあります。前作の良さはそこじゃねーだろと。同じlightなのに
「Dies irae」っぽくないあの妙味を、捨ててどうすると。特に一周目はその思いが強かった。
が、最後までプレイしたら、ああ、やはりあのVermilionの系譜だなと。理屈っぽくも芯の通った
野郎共の熱闘、人間の生き方、そして主人公大好きな男ヒロイン。

結局のところ、とても面白かった
特にマレーネルートは、あらゆる男キャラが最高にカッコよく華々しく輝いて。ラストバトルも
前作を髣髴とさせる熱さ。
向いた方向こそ個人的には残念だけれど、作品自体はよく出来ていたと思います。

かなりDies iraeに近づいた作風は、果たして一般受けを狙い通り達成できたのかどうか。
燃えゲーがお好みの方には断然おすすめ。若干の規模の小ささを独自の深みとホモンジさん
礼さん達で埋めた良作だと思います。あとエロい。

ちなみに、初回特典の設定本はネタバレの塊なので閲覧には注意です。超危険。

――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ

多数の要素が一見乱雑に散らばっていた前作とは異なり、今回は最初から道筋は概ね
見えている通り。バトルに次ぐバトルの末、ヒロインと結ばれたり真実と対峙したり。
物足りなさも感じるものの、取り立てて貶すところの無いわかりやすい展開でございます。

バトル特化ゲーということで、では戦闘描写は如何かというと。
量も密度も相当なモノでした。カッコいい(けど若干クドい)言い回しでそれぞれの思う
ところを存分に吐き出しながら全身全霊で戦闘。いくらか地味ながら大変熱い。
青春を炸裂させながらの青い殴り合いや、巌のような武人達との殴り合い、さらには
いかに相手のことが好きかを拳で示す殴り合いw 正しくバトル特化ゲー。

ゆず茶の攻略順は美汐→エリザベータ→ジュン→マレーネ。ジュンとマレーネはルート
ロックがかかっているのもあり、これが推奨攻略順と言えそう。
個人的な評価はほぼ逆順でマレーネ>リーザ>ジュン>美汐。美汐ルートを終わらせ
た時はかなり不完全燃焼、しかしリーザルートでテンションアップ。面白いしかわゆい。
敵方の女兵士を口説き落とすシチュ、燃えます。燃えゲーです。
で、ジュンでバトル特化ゲーの極地に達し、マレーネで盛大にまとめ。そして、おまけの
カレンのボイスドラマでほっこり。
グランドが無い点については、マレーネルートが半ばそんな感じなのもあり、あまり不満は
無かったです。満腹。

少し目についたのは、誤字や表記揺れに細かな齟齬。複数ライターゆえ仕方の無いことかも
しれないけれど、きちっと統括してほしかった。それはシナリオだけでなく、録音やバグも
含めて。lightは毎度詰めが甘いなぁ。

あと、カレンは役割のわりに出番が少なすぎた感があります。カレンの行動は感情移入
しにくかった。匙加減が難しそうだけれど、もちょっと暖めてほしかった。

キャラクター

礼さん>イヴァン>アレクサンドル≧凌駕>オルフィレウス>リーザ≧マレーネ
>ジュン>乱丸>カレン>美汐

何ゲーだ。

男キャラが大変良い。エロゲとはいえ、ジャンルからして仕方のない事態。
マレーネルートは完全に男性陣ルートだったw このルートで何を見せたかって、マレーネたん
の可愛さよりも野郎共のカッコよさですよね。間違い無く。
イヴァンはまさに期待通りの熱さ強さラブさ。アレク少佐もトシローさんを髣髴とさせる
渋キャラ。礼さんは、途中までかなり控えめでやきもきしたものの、親友以上の何かとして
活躍する姿にホッとしつつニヤニヤ。何ゲーだ。

それはそれとして、凌駕くんのキャラは新鮮で面白かった。ブッダのような精神は
キモかったり滑稽だったり凄かったり。それでいて青春真っ盛りの若者。良主人公です。
いや、礼さんと二人、だけでなく、周りと合わせて良い組み合わせだったと言うべきか。

で、肝心の女の子達。
うむ、リーザもマレーネもジュンも大変可愛い。美汐は一見カワイイとは何か違うんだけど、
あれはあれでまた。それぞれ心の芯となるものが強く描写されているのがよいですね。

はちきれそうな女達も、死海の如き年下組も、みな良かったけれど、特にリーザ。リーザが
あんなにエロかわいいとは。Amazonレビューでワケのわからないことを喚いている人たちは
勘違いしている。むしろあそこが良いんじゃないか! エリザベータちゃんマジ天使。

それと、影のMVPとでも言うべきはネイムレスさん。
ネイムレスさんどんだけ働き者だよ。壊されても消されても再生復活し果敢に戦い続ける、
どこまでもロボットなネイムレスさん、大変お疲れ様でした。せめてあと一人イレギュラー
がいれば、もう少し楽できたろうに……。

Vermilionと比べると、カッ飛んだキャラが足りないのは残念。美汐辺り、もっと激しく
罵倒キャラの道を突き進むか、あるいはネタキャラ化するかしてほしかったです。

CG

60年代を意識したかのような、少し独特な線と塗り。ちょいと好みではない。
でも泉まひるさん絵の女の子ははちきれそうで素晴らしかった。
さるかさんの描く野郎共も相変わらずカッコよくてよいものです。アレクサンドルの構えCG
とかお気に入り。礼さんも。あとラスボスはイケメンすぎたかも……///。

心装はぶっちゃけダサ……モゴモゴ。
イヴァンの影装だけは別格です。あれだけ飛び抜けてる。次点で美汐のおしり。(・ω・)b。

枚数は90枚と少なくはない。ただ、やっぱり戦闘シーンでのCG使いまわし感がちょっとアレ。
これはもうlightの課題ですね。見せ方をガラっと頑張って変えてほしい。

H

なんかすごい気合入ってた! びっくり。
あれか。Vermilionで「使えなかった」評だらけだったのが悔しかったのだろか。どうあれ、
Zero Infinity、とてもエロかったです。
――けれど、そこまで頑張らなくてもいいのよ、という気も。
や、エロゲである限り、エロスに手は抜いてほしくない。某バベルのように一般ゲー化なんて
しようものならそもそもプレイすらしていない。だから、そう、そこそこでいいのですw
生と死の狭間、バトルものにHが入るのはわりかし自然で必要だとは思うのだけれど、
プレイヤーとしては話の先の方が気になるわけで。エリザベータちゃんじゃあるまいし、
燃えゲープレイヤーからパッとエロい気分に切り替えられないのよね。
まぁ邪魔ならスキップでブッ飛ばせばいいだけで、マイナス点では決してない。うん。


超良かった。ボイスはほぼ完璧だったと思います。
特に、男w 全員カッコよかったり、乱丸に限っては超ムカついたり。素敵。ラスボスもよいね。
女性陣もまた皆素敵で。特にジュン役の美月さんの声はヤバイ超かわいい。罵倒が大変似合う
ブルーマウンテン様と違い、バトルシーンでの叫びに張りが無いのが玉に瑕ではあるものの、
それすら似合ってる。「かみのゆ」の籐子、「神咒神威神楽」の龍水と、light作品に
連続出演中ですが、もっと他でもたくさん聞きたい。美月さん、要チェックやで。

システム

light作品特有の変態高解像度……は今回何故か最高1920×1080へ変更。
これ、地味にアレです。直前になっての仕様変更、改悪というやつな気が。体験版2までは
1920×1125だったのに。WUXGAモニタの人は怒ってもいいと思うんです。
や、1080pにすること自体は個人的にはむしろ歓迎で、体験版感想にも書いた気はします。でも
途中で変えるなよと。せっかくの高解像度CGがもったいないじゃない!(結局そこ)

と、些細な不満を抜きにすれば、あとの問題は恒例のバグくらいw
バグというか、音声ズレ&音声抜け。数箇所で遭遇しました。ちゃんとしてよねー。

まとめ

紛れもなく良作だと思います。ただやっぱりVermilionと比べると……という思いは拭えない。
ジャンル、向いてるところが違うことによる好み、事前のハードルの高さも大きいです。
まぁ、方向転換し、ライターも増やして約1年という期間で作った完全新作が、こんなにも
楽しめたのだから、万々歳とするべきか。マレーネルート面白かったしエリザベータちゃん
とジュンかわいかったー。

願わくばもう少しカっ飛んでほしかったかなー。あと少しDiesに寄りすぎ。それと戦闘演出の
マンネリ感もアレ。と、不満もありつつ、それでも十分に楽しめました。満足!

次の男ヒロインマダー?(・∀・)

Zero infinity応援中!


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