2012/12/24
黄雷のガクトゥーン 感想
![]() Getchu.com | 『黄雷のガクトゥーン |
ついにきた、スチパン新機軸。
ライアーソフトのスチームパンクシリーズ第6作にして最新作『黄雷のガクトゥーン』の感想です。
総評
学園ものらしい明るさや賑やかさ、シリーズ特有の雰囲気と深み、そしてヒーローがもたらす燃えが合わさり生まれたものは、極上のエンターテインメント。
過去作インガノックの1.7倍というシナリオ量、女性キャラの胸、共にボリューム十分。(゚Д゚)。
テンポ良く読みやすいテキストも嬉しい。
好き嫌いはあるにしても、これシリーズ最高傑作って言っちゃってもいいんじゃないかな。今までで一番面白かったです。
シナリオ、CG、音楽、演出――死角が無いかのように見える本作だけれど、そこはスチパンシリーズ、いつもの弱点はあります。つまり、エロが弱いw
や、シーン自体はなかなかにエロいのですよ! ただ数がすっごい少ないだけで! 普通のエロゲ抜きゲと比べるからいけないんだ、これは18禁ゲームであってさ、ほら。(・ω・)。
あと、後半に物足りない部分が見られたのが惜しかった。キレがある分、余計に。
それでも。
そろそろ停滞感もうっすら出てきていたスチパンシリーズ、原画や雰囲気を一新し、新たな一歩を見事に踏み出せたと思います。再びグイッと掴まれる感覚、覚えました。鷲掴み、されました。
歴代随一の読みやすさ、明るさ、とっつきやすさは一皮剥けた感もある。
このシリーズに興味があって、でも続きものだしなーなんて購入を迷っているそこの貴方へ。
今こそ手を伸ばす時だ。
――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ
たぶんこれは燃えゲーの範疇。正しくヒーローものであり、学園ものであり、またロマンスもあり。英気に溢れる若者達と、その守り手の、光輝なる物語。
雷電たる正義の味方がもう最高にカッコよくて! (たまにカッコ悪いけども)
異能なる超常現象の存在する学園都市にて起こる事件、その背後に潜む巨悪。10万の若人を守るため、テスラおじいちゃんは今日も戦う――\キャーテスラサーン!/
舞台が学園ということで、今回のスチパンは学園ものですよ。
「ついにきたか……ここにも学園の波が……(若干ウンザリした顔で)」
といった第一印象でしたが、終わってみればそれはとてもよいものでした。物語の本筋は学園生活と直接関係無く、独自の世界観に沿って進んでいくいつものスチパン。時々入る学園ものっぽさはただ楽しく、常々エロゲをプレイしながら感じているマンネリは微塵も無かった。学園都市生活いいじゃない楽しいじゃない。
重厚な設定に基づいて舞台を構築しているおかげで学園とはいえ異文化が感じられるし、時折顔を出す慣れ親しんだ「学生らしさ」に思わず笑みがこぼれてしまう。( ´∀`)。
もっとネオン達の学園生活が見ていたい、そう思ってしまうくらいに。
そんな学園都市での生活を一年続けて。
ネオンとテスラの妙な関係、だけでなく、ちょこちょこ入るカップリング(的な)エピソード。この辺はシャルノスからのスチパンっぽいね微笑ましいね。イズミだけはフリーでいてほしいアレな気持ちが湧くのはさておき。さておき。
年の差カップルだったり、心温まる関係であったり。とても眩しくて綺麗。
思ったほど「結社」に突っ込んではいかなかった。
もうちょっと結社周りの描写が欲しかったな。黒幕さん、もっとlightゲーばりに語ってもいいのよ。
あ、我が敬愛するヒルド・ロメ・ダルク様の御出番がなかったのも残念。(´・ω・`)。知ってたけどさー。
終盤、とあるキャラに驚かされてガツンときました。まさかのあの人! あれはやられた、と同時に、ちょっといきなりすぎやしませんかともw 後半のシナリオがちょいと削られ気味かなーという印象を受けました。容量ギリギリだったそうで、せっかくだから2枚組にしようぜ! と言いたくなるくらい、もったいなかった。
バトルシーンは毎度「特徴的」なスチパンシリーズですが、今回は一般的な燃えゲーのようにテキストと演出を駆使してバトルしているのが印象的。スチパンらしさを残しつつバトル描写頑張ってます。
また、テスラさんは「助ける」のが使命のヒーローであるから、相手が学生ならば決して殺しはしない。「こらしめる」戦闘は殺伐とした18禁ADVの中で清く正しく輝いております。
逆に言えば、刺激満載の本格的バトル、あるいはロボット対戦に期待すると不満を覚えそう。
しかしとにかく面白かった。ストーリーにも心情描写にも文句のつけどころが無かった。
終盤から結末が若干軽く感じなくもないけれど。輝く若人の物語はこれでよいのです。
キャラクター
ネオンがとてもかわいい。さすがの主人公兼ヒロインでございました。
ホラー映画を怖がるネオン超かわいい。しかもこの子……パジャマが2種類あるんですよ! 夏、冬と! ナイスパジャマ!(・ω・)b。
そして、ネオンにHシーンはあるのか!? という、ファン最大の疑問の答えは……モゴモゴ。
マスター・テスラ。テスラさん最高でした。天然セクハラおじいちゃんなところは最低だけどw
テスラさんが頼りがいありすぎてJJが小物に見える悲劇。ほんとカッコよくて面白いヒーローで。ご高齢なのにヤる時はヤるし。
眩しいものを見る目、保護者たらんとする姿勢は、自分自身が既に学生ではないのもあって共感できたり尊敬できたり。今までのシリーズの男キャラの中で一番好きだなぁ。
イズミ。イズミかわいいよイズミ。イズミをお説教しながらなでなでしたい。
イズミ、出番は結構多いんだけど出自設定完全スルーとか! これは後日の書き下ろしノベルを期待せざるを得ないな。あるいはFDか続編で。
アナベス先輩もかわゆい。デキる情報屋で気さくなボクっ娘美人。先輩は貴重な人材やで。
個人的に注目していたエミリーさん。意外と棘のない乙女だった。かわゆかった。(*´∀`)。
おっぱいが注目されていたジョウはやはりおっぱいだった。妹にビビるあまり連れの腕を粉砕しちゃうジョウさんマジ女傑。
そして何より! 誰よりも! 輝きを放っていたのがヴァルター!
「人生に彩りを添えるのは速度!」
その速度主義による圧倒的なインパクトと共に物々しく登場するも、序盤で瞬殺され見物客にそら見たことかとバカにされるヴァルターさん。「遅い(光速で追い抜きながら)」「速度の彼」「相変わらず速度が好きだねぇ(苦笑)」と数々の罵倒を受け、しまいにはあの立ち絵!!
ヴァルターさんいじられすぎだろjk……。
でも最初から最後まで楽しませてくれたヴァルターさんは最高の愛されキャラ。心から大好きです。
あとネタバレになるのが一人、見事にしてやられました。
彼があんな役どころだったとは。桜井さん明らかに狙ってたよねこれ。悔しい! でもカッコいい!
エイミーとネタバレの人はもっと出番が欲しかった。ロダンとミリーも超短かったけど、彼らは脇役もいいとこなのでまぁよしとして。
キャラが魅力的で面白かっただけに、やっぱ少し「足りない感」が残ってしまう。
CG
原画家本人はそんなでもないとか言ってましたが、明らかに皆おっぱいです。( ゚∀゚)o彡゜。
ネオンもジョウもエミリーもアンヌもおっぱい。イズミは普通。アナベス先輩は……かわゆい。
数少ないHシーンもひたすらおっぱい。揉みしだき差分があったりと、おっぱいを頑張ったおかげで結構濃くエロくなってました。完全におっぱいゲーである。
何やらあのおっぱい差分は原画家の暴走の産物らしい。ですよね。(納得)
それにおっぱいだけでなく、魔女のおしりも大変良かったです。(・ω・)b。
差分といえば、表情差分が多かったのも印象的。表情の変化が地味に細かくて。とても良い。
今回は絵柄と塗りの独自色が薄まって、少しポップになりました。
作風にすごく合っていたと思います。戦闘絵が誰も彼も超カッコいいのよね。
あと、パッケ絵。あれはやられたなぁ。
声
イズミ役の柚木サチさんの「?」と「??」が超かわいかった。(ポワワ
あとミリー役の猫屋敷なつさん。『英雄*戦姫』のユーウェインと同じ人、高音ボイスが大変かわいかった。猫屋敷さん、要チェックやで。
ネオン役の一色ヒカルさんはさすがの安定感に加え、感情の起伏がすごいです。一言一言に心がこもっているのがわかって、全部聞かないと損な感じです。です。
音楽
OP曲がかっけーです。ヒーローっぽい!
BGMはクラシック調が多めで俺得。"日常/優美の学園都市"と"愛/瞼、細めて"好き。
システム
演出が超進化してる!?
動きます。エフェクトなんかがアニメーションするんです。びっくり。
さらに、高解像度化して1024×768に。バックログとかはいつものライアークオリティながら、此度の一足飛びの進化は目を見張るものがありますぜ。
ライアー恒例のゲーム要素、今回は「正解の選択肢を選ぶと追加エピソードが見られる」という簡素なものでした。選択肢結構難しかったけどテスラさんの助言のおかげでなんとかフルコンプ(各章追加2つ)、かな。
まとめ
スチパンが燃えゲーになりました。おまけに学園ものの楽しさもプラス。
惜しいところはあれど、傑作の部類だと思います。相当期待をして楽しみにしていた本作、見事にその期待を上回ってくれました。良作にとどまらない何かは確実にあります。
これはもう白旗を上げるしかないってことで最高点五つ星。インガノックが頭一つ抜けていたスチパンシリーズ、ついにそこに並ぶ作品が生まれました。
歴代1,2を争う出来、なおかつ読みやすくとっつきやすく、過去作とのつながりが薄いため、スチパン初心者に大変薦めやすい。
シリーズ経験者もこの作風は新鮮、あるいは久しぶりと感じるはず。
ただし重厚で陰鬱とした雰囲気がお好みの方は方向性がズレるので注意。
面白くて、熱くて、心打たれる、正義と愛の物語。絶望の空を照らす光の物語。
また一段、黄金螺旋階段を上ったかのような――単体としてももちろん、シリーズ最新作として実に良い作品だったと思います。次の新作が楽しみー。
イズミのカダス帰省編マダー?(・∀・)

>>レビュー目次へ
学園物と燃え展開とスチパンらしい怪しさを非常にバランスよく混ぜた作品でしたね。
危なそうな流れもあるんですけどお爺ちゃんがいるおかげで凄い安心感が!
「こらしめる」戦闘は珍しいです。
まあ主人公がお爺ちゃんだからこそできるとも言えますが。
でも主人公の年齢を高くできるエロゲなら、こういう戦闘ももっと増えてもいいかもしれないと思ったり。
普通のエロゲに比べるとエロは少ないんですけど、これで褒めたくなる所がスチパンらしいというかなんというか。
ほんとバランス良かったですね。学園、スチパン、バトル、72歳転校生という要素がとても上手く絡み合っていて。この構成は完璧だったと思います。
> 「こらしめる」戦闘
今回の戦闘はまさに正義の味方という感じでした。桃太郎伝説を思い出します。(古い) テスラはヴァルターをこらしめた!
大人主人公のこういうノリのは結構好きです。
今回のエロは数以外は結構満足でした。おっぱい。
数の少なさは如何ともしがたいですが……魔女のおしりをもっと見たかった。(゚Д゚)。
ソナーニルに続いてガクトゥーンも余裕でCS化できそうですねー。おのれー。