2013/04/28
大図書館の羊飼い a good librarian like a good shepherd 感想
![]() Getchu.com | 『大図書館の羊飼い』オーガスト 発売日:2013/1/25 ☆☆☆☆+ |
オーガストの新作、『大図書館の羊飼い』をコンプしました。
既にアニメ化及びファンディスクが発表され、内容からしていずれおそらくコンシューマ化もされることでしょう。さすが八月さんやで。
総評
この作品のどこが魅力かと問われたならば、「図書部」と答えます。図書部の彼ら。
大学のような巨大な学園で、学園生活を楽しくしたいと立ち上がってみる白崎つぐみ、そんな彼女に惹かれ協力する仲間たち。それぞれ個人的な思惑を抱えながらも、活動に全力で取り組む内に若者らしく成長し、当然の如く恋もする。
彼らの青春が色鮮やかで、まっすぐで、楽しくて、実に気持ちよくプレイできました。
図書部、欲しい。(切実)
スパイス程度に少し不思議な要素も有り。こちらは良い隠し味になっておりますね。
「オーガストらしい」という評をよく目にします。八月作品は『穢翼のユースティア』しかプレイしたことのないゆず茶には、見た目以外どの辺が「らしい」のかはわかりませんが、高いところで安定した各要素、ライトな作風のわりにエロもキッチリ詰めてくる点、プレイアビリティの高さなんかは、さすがと感じました。総じて安心感がハンパ無い。
とりあえず何か良い萌えゲーない? って方にはサッと薦めたい作品でございます。派手な刺激には欠けるものの、良いエロゲであることは間違い無いかと。
キャラゲーであり、同時にわりと雰囲気ゲーかも。
もうとにかく図書部が良くて、もっと彼らの、特につぐみと小太刀ルート後の日常が見たい。FDでやってくれるかな。wktk
――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ
舞台の汐見学園は「大学みたいな学園」という表現が出てきますが、本当に大学みたいだった。(小学生みたいな表現)
選択式の授業形式しかり、部活動のサークルっぽさしかり、キャラクターの少し大人びた性格しかり。学園ものの皮を被った大学生活ゲーですわこれ。さすが大手老舗オーガスト、きたるエロゲ氷河期への対策もバッチリだな!(・ω・)。
無駄に大学っぽいわけではなく、大学生活で必要とされる「積極性」「行動力」が焦点となっているのが面白い。大事だよね、これ。大学で受身だとぼっち一直線だもんね。
高校生……はダメだから、浪人生は大学生活に向けて大図書館の羊飼いをプレイすべきです。ほら、受験勉強なんか後にしてエロゲやろうぜエロゲ。
とにかく図書部がめちゃくちゃ良い雰囲気でした。
主人公・筧京太郎の自閉症気味な内向き思考が解れてゆくのも。各ヒロインの抱えるものが溶けてゆくのも。全てが図書部の全員の存在があってこそで、よくある主人公とヒロインだけの物語ではない。筧京太郎は各ヒロインにとってもちろん大きな存在だけれど、そこに至ったのは常に図書部があったからで。
学園生の部活というよりはサークル、仲間。図書部大好きです。
不思議要素に関しては……
「羊飼い」という単語にモヤっとしたものを抱えていたら作中でつっこまれたでござる。(゚Д゚)。
ネタバレだしあまり他に言う事はありませぬ。真ルートっぽいルートのエンディングも結構好きなので悪い印象は無いです。
ルート構成は若干複雑というか何というか。プレイを進めていて、
ようやく終わりに近づいたかと思ったら氷山の一角だったでござる。(゚Д゚)。
という不測の事態が起こったものの、これはこれで面白い。周回するのに疲れたけどもw
キャラクター
望月さん>千莉≧つぐみ=玉藻=鈴木=小太刀>嬉野さん>水結>多岐川さん
あれだけ図書部をベタ褒めしといて生徒会長が一番好きな裏切り者はここです。(`・ω・)。
いやだって望月さんハンパ無いじゃない。カリスマがパないじゃない。
麗しく、才気溢れる完璧超人で、美しく、キリッとしているのに実は優しく、最高にかわいい。
望月さんは俺の女神。望月真帆は望月真穂と同じくらい大好きです。
女神は別格として、人間界では千莉が僅差で一番お気に入り。
これ個人的には予想外の事態。最初はどうということもなかったのに、本編をプレイしたら、やけに人懐っこいところにやられてしまったんです。そら高峰も罵倒されたがるわ。(納得)
あとのヒロイン4人はあれですね。うん、みんなかわいかったよ!(ダメなフォロー)
でもほんと、望月さんと千莉以外はどうでもいい系のアレではなく、みんな良いキャラで全員お気に入りです。だからこその図書部推しで。
つぐみ。本当は引っ込み思案であがり性な女の子のがんばる姿……応援したくなるじゃない!
玉藻ちゃん。何気にちくちくツボを刺激してくるタイプ。めんどくさい子だけどそれもかわいいじゃない。
鈴木佳奈。ちっぱい。
小太刀。おっぱい。
うん、みんな良いな。
サブ子さん勢では、女神は別格として、嬉野さんがこれまた意外に気に入ってしまった。
帽子を床に叩きつける嬉野さん、萌え。
嬉野さんルートで筧くんのキャラが若干ブレてたのが面白かったw 話としては単純に一番面白かったかもしれない。
FPS病にかかる筧くん、萌え。
あと忘れちゃいけない高峰。
筧くんが高峰リスペクトで終始アゲてるところが新鮮で面白く、実に良かった。そんじょそこらの誰からもぞんざいな扱いを受ける悪友キャラとは一味違うぜ! 女子からは結構ぞんざいだけど!
この夏、高峰×筧の薄い本が出るに違いないよ。
でもほんと、親友である高峰の存在は大きく、図書部になくてはならない人材だと思います。というかもうちょっと前に出してもよかった気がする。黒子のように仲間を後ろから見守り続ける高峰さん、空気読みすぎやで。FDでもっと暑苦しい友情劇やってくれないかな。
CG
黒ストの塗りのクオリティが異常である。どこの職人だよこれ塗ったの。
あとぱんつも。誰だよこんな質感あふれるぱんつを作り出したの。
――ありがとうございましたッ!(敬礼)
ただ、構図がとってもナナメですね。斜め構図はほどほどにして頂きたい派所属のゆず茶的にはあまり合わない。
でもHシーンでの女の子の下半身が実にエロい点は断然支持します。(・ω・)b。
声
望月さん役の波奈束風景さんボイスが大変麗しくて素敵でした。カットしないで全部聞いたった。
聞きなれないお声の人もちらほらいたけれど、皆さま大変良かったです。それに佳奈すけ役の遥そらさん、既にちらほら有名作に出てますが、これからもっと人気出そうな予感。
一番印象的だったのはやっぱり高峰。この声は卑怯やで、ジュネス的に考えて……。
システム
演出が実に好印象。
立ち絵素材にちょっと手を加えて、バラエティに富む演出がなされていました。大手だからこその、なのかどうかはわかりませんが、見ていて楽しいので他のメーカーも是非見習ってほしい部分。たまにでも見た目凝ってる部分があると、やっぱり満足度が違うし、その都度新鮮さを感じて楽しめます。
まとめ
安心安全のオーガスト、でした。日常も物語も萌えもエロも他の部分も手抜き無く、過不足なしとはまさにこのこと。
文句をつけるとするならば、周回時に重なる共通部分がかなり長いのに、選択肢までスキップ機能が無いため疲れることくらいか。総プレイ時間相当いってそうだ。
この手の平和な萌えゲーにしては珍しいくらい気に入ってしまいました。図書部の雰囲気、活動、エンディング、どれもが好み。このとても心地の良い「場」があるおかげで、彼らをもっと見ていたいと思わせてくれます。
いや、良い作品だった。
新入生を加えた図書部二年目の戦いマダー?(・∀・)

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