すときゃすてぃくす

シナリオ

まず、おじょナナはこう見えてネタバレ要素が多いため、プレイ前にネットで評価をチェックする際は要注意。前情報無しでのプレイをオススメします。

ストーリーは大まかにアイドルルートと財閥ルートの2系統に分かれます。

お嬢様ゲーにアイドルがいる意味が未だにわからないｗ　何故アイドルを入れたし。
いや別に悪いものではなく、楽しめたのには違いないし、音羽なんて財閥ルートでも重要なキャラなのだけれど、作品全体として見たら本体にヘンな物体がくっついてるみたいだよね……。
しかもいちゃラブに定評のあるライター保住圭氏がそこに投入されており、特に音羽ルートでは全力でいちゃラブるいつもの保住シナリオが炸裂。お嬢様どこいった。

そんなわけでアイドル2人のルートはほぼ完全に異次元のいちゃいちゃキャラゲー。
ボリュームも明らかに少ない。あくまでサイドメニューとなっておりますね。

メインディッシュとなるのはお嬢様2人＋妹を抱える財閥ルート。
共通部分が長く個別は短めという傾向はアイドルと一致しつつ、こちらはボリュームたっぷり。それでも話の先が気になってグイグイ読み進められました。シナリオにめちゃ気合が入っていて、正直テキトーなところで頭空っぽラブコメに移行するのかと思ってたので意外でした。詩綾お嬢様は若干そのケがあるけどもｗ

予想以上に財閥に対して深く突っ込み、経済とか金融の話がよく出てきます。
株やってるのにCDS知らなかったりデリバティブの使い方が若干おかしかったり浅い経済知識で得意げに講釈を垂れる主人公は暖かい目で見てあげましょう。学生だしねー。
というか、そんな未熟で時に傲慢な彼だからこその、というストーリーになっていたのが個人的に高評価。うまいこと誘導された気分！
どうでもいいけど投資より預金が好きな人たちには笑ったｗ ですよねー。

メインストーリーを追う中で、サブキャラの見せ場を作るようなイベントもたまに挟まれ、むしろサブキャラが真ヒロインなんじゃねと言われそうな勢いで目立ちまくっていたところも印象的。立ち絵の無いキャラもキャラが立っていて、その人数の多さから作品世界が広く感じられた点はかなり好み。ある程度続いた漫画や小説のような空間の広さが感じられます。
その意味ではアイドルルートの存在も効果的だったか……！

ステマやらニートやら社畜やらといった若干お下品な言葉が出てくるのと、主人公が隠し事したり嘘をつきまくるせいで窮屈に感じるところは気になったかな。まぁそう大した問題ではありません。
反対に、ホワイトボードとか伏線張って回収しまくる小技なんかは面白かったです。

キャラクター

以下攻略順にキャラ別感想。

音羽。
ちょくちょくウザキャラｗ　ネジが数本飛んでるというか。
ヤクザに思わず同意してしまいそうになったり、このおバカちょっと痛い目見た方がいいんじゃねと思ったりしてしまうけれど――
でも音羽はお嬢様世界を盛大にブチ壊してくれる貴重な人材。その輝きは確かに眩しく、たとえ愚かしく思えたとしてもつい惹かれてしまう。そんな音羽に元くん達が憧れ導かれ、時に支え合っていくのがキラキラして見え、プレイしていてどこか気持ちが良かったです。
デレ後も大変かわいくて、音羽はなんだか妙な魅力を発揮しておりました。とても愛着のわくキャラ。
しかし、アイドルの時よりも通常時の方が好感度高いアイドルってどうなんだろうｗ

透夏。
同じアイドルの音羽ルートよりも地に足の着いた展開で安心して楽しめたのは性格の影響かｗ
個性的なキャラが多い中、常識人で素直に可愛い透夏お嬢さんは天使かもしれない。好き！
ただ、隠れて恋愛をしながらアイドルをやるってのは、もやもやして苦手。というかアイドル自体が個人的に苦手。アイドルじゃなかったら透夏お嬢さんは完璧だった。（ストーリー全否定）
それとお風呂Hが大変エロかったです。(・ω・)ｂ。

七波お嬢様。
子供に顔面パンチするお嬢様マジイケメン。
性格はおかしいけど面白かわいいスーパーお嬢様、大変素敵でございました。ひたすらボケてはツッコミ待ちを繰り返す七波お嬢様は世界一強靭な精神力を持つかまってちゃんだと思います。心ゆくまでいっぱいかまいたい。
初Hも面白かったｗ　七波お嬢様はいついかなる時も七波お嬢様なのです、バン！（←これ好き）

花。
ナイチチフェラなるトンファーキック的な必殺技を持つ花ちゃんはナイチチかわいい。
一家の大黒柱の花ちゃん頼もしいです。チート組の影に隠れがちだけれど、花ちゃんも相当ハイスペックですよね。家事万能で姑ともうまくやっていけそうな花ちゃんは、今年の嫁に来て欲しいヒロインNo.1！
籐太さんがTwitterで七波の後の攻略を推奨していた通り、花ちゃんルートは最後かその前がいいかも。この終わり方はとても好き。

詩綾お嬢様。
なんかよくわかんないけど愛情MAXすぎて健気で胸が痛いよ！ こんな子をフるなんて！
と思ったら……へ、変態だー！ 変態が出たぞー！！((((；ﾟДﾟ)))
一人だけエロさがカッ飛んでおりました。このわんこ欲しいな。
元くんがトラウマを植えつけられるシーンがめっさ面白かったですｗ　さすが籐太さんやで。
それにしても、父親の達郎氏の心境を思うと……。（遠い目）

と、ヒロイン5人は皆かわいくて、それぞれ魅力的で、どの子も差が無いくらいお気に入り。

サブでは鶴美お嬢様がとんでもない存在感を発揮。
正直この人嫌いになれないというか大好きなんですけど！ あ・ら・さー！ あ・ら・さー！
鶴美お嬢様と一緒に世界を征服したい。（真顔）
実に興味深いキャラで、彼女のことをもっと知りたいと思わずにはいられません。やられた。

他にもショウエイにヤクザ、途中までクソガキだった詩音坊ちゃんまでもが良キャラ。実に楽しかった。
エキセントリックなアンニカ様のスピンオフストーリーまだー？
あ、さすがに不出来なアラフォー凉子お嬢様はカンベンな。でも旦那とのいちゃラブストーリーなら興味ないことも……いややっぱアラフォーはいいや、アラフォーは。

そして重要なのが主人公、桜咲元くん。この主人公の扱い方がめちゃ上手かった。
孤高の完璧主人公に見えるのも、ダークな一面が潜むのも、S気質も、全てヒロインとの絡みの中で効果的に作用していて。彼自身はそこまで好感度の高いキャラではないのに、ストーリーによってとっても良主人公となってました。ネガティブ主人公を極めて巧く調理した例だと思います。

声

なんといっても七波お嬢様、一言一言に丁寧な手作り感があってとても味わい深いお声。桐谷華という声優の職人芸の結晶である。ただちに無形文化財へ登録すべき。(ﾟДﾟ)。

他にも音羽役の青葉りんごさんは熱くて面白くて、詩綾役の奏雨さんはひたすらかわいい変態ボイスで、何気に詩音役の萌花ちょこさんの少年ボイスも超上手い。それに鶴美役の一色ヒカルさんの渾身の演技ときたら！
総じてCVは素晴らしかった。どの人もハマってます。キャスティング、演技共に完璧でした。

CG

めっさつやつやキラキラ。ensemble×武藤此史の破壊力は異常。

総CG枚数84枚。（SD絵含まず）
少なくはないけれど、長さと展開を考えるともう何枚か通常CGが欲しかったかな。

ノーブラで制服着たままのパイズリは新鮮でよいものです。
透夏お嬢さんのお風呂Hも実にエロかった。これ言うの2回目だけどほんとエロかった。エロかった。

ただ、全体的にめちゃめちゃ斜め構図なのがアレでした。斜めどころか横になってるものも多数ｗ
まぁお嬢様はご機嫌ナナメだから仕方ないな。（）

パジャマ

パジャーマ！（挨拶）
全員ではないものの、七波お嬢様と花ちゃんと音羽（と主人公）にはパジャマ有りですよ！ 音羽はCGでチラリと見えるだけですが、七波と花の2人は立ち絵もパジャマHも有り。(・ω・)ｂ。

七波お嬢様はHの時もナイトキャップを落とさないのがよいですね。お嬢様らしい上品さが伺えます。
花ちゃんは段階的に下を脱いで上半脱ぎに至るのがよいですね。この生活感、さすが妹やで。

システム

バイキュービック補間での拡大、レジューム機能、バックログからのシーンジャンプと、至れり尽くせり。WillPlusのシステムもえらく進化したなー。

ただ、ルビが小さすぎて読みにくいのだけは気になりました。読ませることが多いので余計に。

まとめ

ある程度ラブコメが楽しめれば、と思っていたら予想以上に気合の入ったお話でびっくり。
トラウマに負けず予約した甲斐がありました。（ ´ω｀）。

万人向けと思いきや、結構変なゲームだったのが個人的に嬉しかったｗ
経済ものだったり何故かアイドルがくっついてたり変な子が多かったり。ただその分アクは強いか。
細かい事を気にせずエロゲを楽しめる人にはかなりオススメ。

後日七波アフターなるコンテンツが公開されるそうなので、中古で売り払うのを我慢して楽しみに待ちましょう。そわそわそわそわ

鶴美お嬢様とショウエイを仲間にして皆で世界征服を目指すFDﾏﾀﾞｰ？(・∀・)



（※11/11追記：七波アフターが配布されたのでプレイしました。
　音羽、透夏は出番無し。鶴美お嬢様もまさかの出番無し。詩綾お嬢様は存在感抜群ｗ
　1時間くらいで終わる短い内容ですが、Hは2回あってちょっぴり豪華。お話も含め、おまけとしてはそこそこ満足の内容ではありました。第3部ﾏﾀﾞｰ？）

(2013/11/11 追記・修正）

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