2013/06/08
ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1- 感想
![]() Amazon.jp | 『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』インレ 発売日:2013/5/31 ☆☆☆☆ |
孫太夫さんのこけしになりたい。
18禁歴史フィクション『ChuSinGura46+1』の感想です。
総評
元は同人ゲーとして人気を博した3作にボイスを追加しCG一新、さらに新たに4章5章を追加して一つの作品としてまとめたのが本作。さすがという他無い面白さでございました。
基本的にストーリー重視のシナリオゲーであり、武士の生き様が心を打つイベントや賑やかなラブコメを交えながら、メインとなるのは燃え展開。
ボリュームもかなり多く、とても歯ごたえのある一本でした。
ただし欠点も目につく。
一番気になったのは、主人公が基本的に愚かなところw いざという時はカッコいいんだけどねー。彼のせいで途中ストレスが溜まることも。
また、この作品の魅力ってそこじゃないよね? というような部分がストーリーの重要な要素となっているのもチグハグに感じてしまう。
しかし全体としては間違い無く面白いと言えます。
シナリオの他にも、キャラ数がハンパ無かったり、なのに立ち絵のバリエーションが他に類を見ない豊富さだったり、服装が妙にエロかったり、孫太夫さんが超可愛かったりと、グラフィック面も相当な力の入れよう。
これは近年稀に見る一大傑作でございますよ。
ところどころストレスを感じたのと、独自のネタバレ要素がイマイチなのと、てっきりあると思ったエクストラストーリーが含まれていない謎仕様が影響して、最高評価には届かず。惜しかった。
ちなみに「忠臣蔵」を全然知らなくても問題無く楽しめます。(ソースは俺)
――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ
構成は全5章の一本道。選択肢は1回だけあります。
忠臣蔵をなぞる1章が実に面白い。江戸時代にタイムスリップした主人公の成長がよく描かれていて、ストーリーも忠臣蔵そのままの流れで素直に進むので安心して読めました。
この作品が気になった人には1章を丸々全部プレイできる体験版を超おすすめ。
2章からはオリジナル展開が本気を出します。先が気になって睡眠時間がゴリゴリ削られる系のストーリーが相変わらず面白く、特に3章の終盤はめちゃ良かったです。達成感と、ほんのり甘い喪失感がたまんない。
しかし4章の歴史の授業のお時間には辟易しました。('A`)。
説明長いよ! 歴史小説を読んでいたら作者の考察が始まったでござる的なノリ。それに主人公はヘタレるわポッと出の新キャラはクソキャラだわ、この章は何かとヒドイ。
とはいえ、やりたいことはわかるし、ストーリー中の位置づけ的にも雰囲気的にも大きなアクセントになっており、必要な章だったとは思います。
最終章では持ち直し、全ての決着をつけグランドエンドへ。
ただ後半は駆け足気味で、途中明らかに抜け落ちている部分があるのが超気になります。コンプ後にその期間を描いたおまけストーリーが解放されるんだろうと思った俺涙目。FDでも何でもいいから是非読みたいんですマジお願いします!(土下座)
戦闘が熱くてド派手な「燃え萌えサウンドノベル」の本領発揮といった感じでした。
総じて気合の入ったシナリオで、歴史ものとしても、シナリオ重視のエロゲとしても、十分に楽しめました。燃えたり、じんときたり、笑えたりと、起伏が大きくハッキリとしていたのが良かったです。
ゆず茶は忠臣蔵に関して
「殿中で刃傷沙汰を起こした大名が切腹、怒った家臣が喧嘩相手を討ち取った」
程度の知識しかなく、浪士の名前なんて一人も知らなかったのですが、問題無く楽しめました。むしろ赤穂浪士に対してマイナス寄りのイメージすら抱いていたのに、プレイ後には赤穂に観光に行きたくなっていたでござる。(゚Д゚)。
ストーリーも良かったし、何よりキャラクターが魅力的に描かれていたのが大きい。カッコよくて可愛くてひたむきで、こんなの見せられたら感情移入してしまって大変ですよもう。
残念だったのは、歴史に絡んだ展開や主人公の成長、感情を揺さぶるイベントなどはとても面白いのに、この作品のメインはそれらではなく、ストーリーのオリジナル要素にあるところ。(ネタバレなのでツッコミにくい)
簡単に言えば、ストーリーの本流より支流の方が面白いのがもどかしい。
あと台詞中に頻繁に「?」がつくのが地味に気になるw 語尾上げすぎやで。
キャラクター
お気に入り順:
孫太夫さん>主税>新八>ご城代>安兵衛さん>えもしち>小夜>柳沢吉保>数右衛門>郡兵衛>新六>(以下略)
見た目もキャラ付けもゴージャスな孫太夫さん大好き!
脱ぎ脱ぎしてる立ち絵も絶妙でした。(・ω・)b。
孫太夫さんから梅干しを取り上げた後こけしを与えて放置した様子を眺めたい。俺の孫太夫さんのエロが無い不具合を解消するパッチまだー!?
ハミ乳眼帯人斬り女、新八こと山吉新八郎もかなりの存在感。おぐおぐさんボイスがハマりすぎやで……超こわい。((((;゚Д゚)))。
聞くところによると新八のHシーンは同人版には無かったそうで。相当人気なのですねー。そのエロスも戦闘シーンもとても魅力的でした。
新八の服の胸のところをくいっと真ん中にずらしても怒られない仲になりたい。
メイン4人の中で一番グッときたのは、しゅ……主税たん。
2章では半ばクソキャラ化してたけど、3章の主税たんは素晴らしかった……主税たんマジ聖女。一番メインヒロインっぽい感じがします。
ご城代、安兵衛さんは終始安定しておりました。この2人の頼もしさは異常w
えもしちは桃尻かわいい。
こんなに優しくて弱い子が「強い」武士になる過程に涙を禁じえません。もう癒し系だなんて言えない。
サブキャラ勢では小夜が妙に優遇されてた気がするw かわいいから当然だよね!
最初は完全なるクソキャラだった郡兵衛さんも、話が進むと良キャラになっていたのが面白かったです。えもしちもそうだけど、これは多角的な視点から描いたシナリオの勝利だなぁ。上手い。
直刃。彼、めちゃ強いイケメンなのに自意識過剰で考えなしという残念な主人公。
1章~2章の成長っぷりは良かったのに、話が進むにつれ、愚かさもどんどんパワーアップしていって大変アレ。いやまぁそうなるのは理解できるんだけど、でも不快には違いないよね、といった展開の連続。カッコいい時以外は最低というメリハリの効いたキャラでした。()
ともあれ、総勢40人以上もの登場人物それぞれがよく描かれていてとても楽しかったです。
ラブコメも余裕でいけそうだし、例のエピソードやアフターストーリーがほんと欲しい。新八とか小夜も参加で是非!(土下座)
CG
ぬいさん仕事しすぎやで……。(戦慄)
立ち絵のバラエティの豊富さが異常です。一瞬しか使わないような謎差分が大量にあるw スイカ抱えてたり団子食べてたり包帯持ってたり、ただでさえキャラが多いのにわざわざどうでもいいような差分を増やすそのストイックさに惚れそう。ほんと凄い。
これだけのキャラを描き分けてるのも凄い。どっちかというとロリっ娘の方が得意なのかな。
イベントCGはわりと不安定だけどご城代と主税たんの戦闘CGかわいいです。
ただ、Hシーン時の主人公の肌は黒すぎるw
黒いというか土気色? ゾンビかと思うような血色の悪さ……この色は明らかに人外やで。
声
音質が悪いのが残念。まぁ商業一発目だしこのボリュームだし望みすぎか。
キャスティング、演技共にかなり良かったです。
特に印象的だったのは、なんといっても内蔵助役の有栖川みや美さん。続いて右衛門七役の春河あかりさん、新八郎役の小倉結衣さん、小夜役の秋野花さん。凛々しかったりかわいかったりこわかったり、皆さま大変素敵でした。
システム
演出がこれまた気合入ってました。
特に戦闘演出。若干テンポが悪いもののちまちま動いてて臨場感あります。
それに最終戦のド派手さときたらw ポカーンを通り越して笑っちゃったよ!
欲を言えば、戦闘以外の通常シーンでもこれくらいのアイデアが見たかったな。
まとめ
ところどころ同人らしさが残り、ストレスフルな主人公など欠点も目につくけれど、良作であることに変わりはなく、刺激的な面白さなら今年一番。とても心揺さぶられました。
ただ新規追加の4~5章よりも同人版の3章までの方が出来が良く、わりと設定がテキトーなため、シナリオに期待しすぎると物足りなさを感じそう。名作まであと一歩、という印象です。
体験版をやってこれはと思ったら買い。歴史上の人物の女体化にアレルギーがなければ断然オススメできます。商業じゃあり得ないレベルの立ち絵芸は必見でございますよ。
そしてとにかく5章の抜け落ちたエピソードが一日も早く見たいです。(懇願)
孫太夫さんが電動マッサージ器にハマって大変なことになるFDマダー?(・∀・)

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23:30
レビュー
| Comments(4)
>聞くところによると新八のHシーンは同人版には無かったそうで。
>相当人気なのですねー。
おお、そうなんですか。
確かに、新八は、人気ありそうですね。
キャラ投票も、現在1位ですし。
てか、右衛門七の順位が…
自分は、主人公割と平気でしたね。
イライラしたはずなんですけど、何故だろう?
特に、4章5章は、どうした主人公?って感じだったのに。
涙腺緩む場面が多すぎて、緩和されたのかな。
5章のとんでも展開には、「お、おう…」となり、
戦闘のど派手演出には、「や、やりすぎやw」となるものの、
敵と味方が駆けつけて一緒に戦う展開は、激熱で好きでした。
語られていないエピソードもあるので、自分もFDを希望します。
アフターストリーも見たいぞー!
> 名作まであと一歩ですか、
あくまで自分の中では、ではありますが、
呪いと歴史の設定(整合性)がテキトー気味だったのが大きいです。4,5章が3章以上のレベルなら……と途中で期待してしまったのもあるかも?
でも面白かったのでほぼ満足ではありますよー!
> てか、右衛門七の順位が…
えもしちは犠牲になったのだ……(涙)
5章がえもしちエンドじゃなくなってるのが痛いですね……。直刃しゃんあんまり惚れてない感じもするしw
新八はいかにも人気出そうなキャラだなと思ったら案の定。おっぱい力は偉大です。
> 主人公
終わってみれば私もそこまで悪印象は無いです。
戦闘時の見せ場ではカッコいいし、シナリオが良かったおかげですねー。
FDがホント欲しいですw
例のエピソードとハーレムアフターと俺の孫太夫さんのエロ追加はよ!
直刃さん苦労しすぎですよね……。そりゃ壊れるわと。
お姉ちゃんは出番全然無かったですねw 武士の鼓動でもちらっと出たくらいで。
二人でタイムスリップしたところも確かに見てみたい気がします。