2013/11/02

ひめごとユニオン ~We are in the springtime of life!~ 感想


ひめごとユニオン ~We are in the springtime of life!~
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『ひめごとユニオン
~We are in the springtime of life!~


SEVEN WONDER
発売日:2013/9/27


☆☆☆++


ひめごとユニオン』こんぷりーと! しました。

総評

ポップでライトなラブコメ、ちょっぴり完成度低め。全体的にやや突貫工事な印象を受けました。
その原因は、一部個別ルートの終盤のあっさり具合、ところどころ見受けられる演出ミス、思わせぶりな態度のままフェードアウトする謎などなど。

何より、全体に漂うちぐはぐさが評価に悪影響。タイトルにもなっているひめごとの共有が特別大きな意味を持たず、ヒミツは言ってしまえばキャラ立ちのための道具でしかないのが寂しい。作品全体としてまとまりに欠ける、「キャラゲー4本立て」といった感じでした。
そのこと自体は別に珍しくもないけれど、共通パートで仲間を集めてないしょ同盟を結成したところで、向かう先は特に無く、各自のんべんだらりとした日常へ……というのはいかにももったいない。

そんなわけで、一つの作品としての評価は凡庸。言い換えるとシナリオは今一つ。
ただし、キャラゲーとしては平均以上であり、「ファンタジーの入った日常の中でかわゆいヒロインとラブコメやってエロいことしたいぜ!」という需要には十分応えております。
多少怪しいところはあるものの個別の出来もそこそこ。悪いエロゲではありませぬ。

と、何だかんだ言っておりますが、実のところワタクシゆず茶の言いたいことはただ一つ。
小春ルートが超楽しかった!!
ひめごとユニオンとは何か? 小春とニンジャのゲームである。(゚Д゚)。

――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ

現代に生きる隠密の才蔵は、任務中に空飛ぶお姫様と出あう。留学生としてやってきた彼女の他、周りには多彩な「ないしょ」を持った可愛い女の子達が次々と集まり、人生最大のモテ期到来に浮足立つニンジャであったが……!?
というお話。

お茶の間的雰囲気で気軽に楽しく遊べるエロゲで、お気楽なラブコメは日々の現実に疲れた心身を癒してくれます。( ´ω`)。
結構ハーレム気味なのが少し予想外でした。あ、そこまで好意オープンなんだ、と。

物語はヒメリアに課された「スターカード」集めを中心に進行し、わかりやすい展開が多いので、終始あまり戸惑うことなくさくさくとプレイできます。重いシナリオや色々な地獄に疲れた人にはおすすめのライトさでございますね。

しかし、そのスターカード集めはあくまで物語の指針。目的に見えてそうではありませぬ。
真ルート的なものが無いため、カードを全て集めて何か大きな盛り上がりが! などという展開は存在せず、総評でも述べた通りのキャラゲー4本立て、あくまでヒロイン達とのラブコメを楽しむゲームです。このことから、シナリオゲーとしては弱くならざるを得ず、評価は上がりにくい。

また、ヒメリアルートなどの終盤が駆け足展開でさくっと終わる点にも拍子抜けしてしまう。
若干日本語が怪しい部分もあり、締切が近くなって急いで仕上げた、あるいは打ち切りが決まって強引に終わらせたかのような雑さが目につきました。未完成とまではいかずとも、スターカードと伏線を回収しきらなかったことといい、何か途中で諦めた感が漂います。


ではキャラゲーとしてはどうなのかというと、こちらはなかなか。各個別ルートもなんだかんだで小奇麗にまとまってはおり、かわいいキャラと賑やかな日常、話の起伏もきちんとあって、キャラ萌えもラブコメとしても程良い内容。この辺りは事前の予想と期待の通りです。

特に小春。小春ルートは一歩も二歩も抜きんでておりますよ!
何が良かったかって、まず主人公のテンションが高い。序盤のおちゃらけニンジャ像をパワーアップさせたかのようなおバカで楽しいキャラクターになっており、他のルートと比べると浮いて見えるほどw さすがにちょっとふざけすぎた感はありますが、そんなの些細な問題です。この作品に合った主人公というのは小春ルートのニンジャです。

さらに、お話もなかなか面白い
小春というヒロインの性格や出自、ヒメリアのスターカード集め、ニンジャ才蔵の主人公性、これらが上手く絡み合った素敵に楽しいラブコメディ。こういうの大好き!
走れメロスの術とかのカッ飛んだギャグも楽しい。ニンジャすげぇ。

そして、小春ルートのニンジャは最高の童貞ニンジャ。詳しくはHの項で触れるとして、初Hが特徴的なのです!

ヒロインかわいい+シナリオ楽しい+初Hが良い=小春ルートは神ゲー
感情溢れるテキストっていいよね……。
危うく前作『太陽のプロミア』をポチるところだったぜ。

キャラクター

小春>聖>ヒメリア>夕輝

ジュニア女子最強説。小春さん強すぎ。
序盤で初めて出会い、ツンツンから一気に懐く展開がとてもよい。共通部分で攻略完了したようなもんだよねこれ。その後は好意を隠さず押しの一手、さすが力持ち担当である。
全体を通しても存在感が大きく、小春ゲーなのは間違いない。

。聖ちゃんは和服姿がスーパー素敵なのだけれど、ほとんど見られなくてかなしい。(´・ω・`)。
可愛いのにもったいないよー。
主人公の相棒という立ち位置で、距離感がとても心地よかった。アイコンタクトで会話し合うところなんて、まさしく相棒という感じがひしひしと伝わってきてたまんない。ジュニア女子に勝るとも劣らない良ヒロインです。

ヒメリアお姫様は少年漫画の主人公のようなカラッとしたヒロインで、良い雰囲気に一役買っております。王道かつベタなこういう子、わりと好き。
ヒメちゃんの作る料理なら食べてみたい!」には超同意。例えそれが生野菜でも。太眉&鼻息で彩られるドヤ顔も一周回って気に入ってきたぞ。
途中まで超いちゃラブバカップルな個別ルートが終盤さくっと終わって、消化不良感が残ってしまったのは残念。

夕輝は小春に食われてましたw かたや押せ押せのジュニア女子、こちらは奥手な年上幼馴染。個人的には後者の方が好みなのに、アピールが弱すぎてジュニア女子の陰に隠れてしまったでござる。
というか、後半は吹雪にも食われたよね……不憫な。おっぱいは好きです。(最低)

察しが悪くなかったり行動力があったりする才蔵くんはよいニンジャ。おまけに、背後から忍び寄る隠密だけあってバック好きだった。(・∀・)人(・∀・)。
童貞らしい童貞なのも好感度高い。
ニンジャの訓練を受けたお調子者な学生という設定はカンペキだったと思います。楽しかったよー。

あとサブキャラ勢が結構多くて良かったです。立ち絵も声もついていてちょっぴり豪華。
駒鳥先生と姐さんは特にお気に入りw 小春母に怒られる駒鳥先生かわゆい。

CG

ヒメリアが写真をよく撮るので、SDか何かそのCGが欲しかった。同居なのにパジャマが無いし、物量は物足りない。サブキャラに立ち絵があるのは良いのだけれど。

キャラデザにクセは(特に眉辺りに)あるものの、クオリティは安定しておりますね。
おしりが微妙に多いのも良いと思います。(・ω・)b。

H

小春ルートのHシーンがテンション高くてとても良い。(真顔)
これぞ童貞の初体験である! この感慨! すまし顔でクールにキメる童貞なんかいやしねーっての! うおお何これやべぇキモチイィイってなってこそ男だろうタマついてんのか!(゚Д゚)!

――はい。抜けるかどうかはさておき、こういうキャラクターの感情溢れるエロスはとてもよいものです。ライターさんの筆がノったのか、若干陶酔気味のテキストもまたおかし。
さすがに小春ルートよりは大分落ち着いているとはいえ、それ以外のルートも概ね童貞感が出ている描写が多くて良かったです。
何のレビューだっけこれ。

システム

解像度1024×576なのが残念。ワイドならば1280×720は欲しい派なんです。
他は特に問題無し。バックログからのシーンジャンプは便利でいいよね。

戦闘演出を結構頑張っておりました。その辺のテキトーなバトルものと比べても案外引けを取らないような……テキストはさておき。

ただ、場面に合っていない立ち絵があったり、一気に引き下ろしたはずのぱんつが横にずらされていたりと、ちょこちょこ齟齬が目に付くのが玉に瑕。フルプライス商業作品ならば、この辺りの完成度を高めてほしいものです。

まとめ

共通~小春ルートだけなら『かみのゆ』と似た感じで個人的神ゲー五つ星レベル。その他は概ねフツーかな。
最後に回したヒメリアルートの終盤が肩透かしだったので評価は低め。でもキャラゲーとして悪くはなく、キャラのかわいさとお気楽な雰囲気だけでも結構楽しめました。

まぁ小春だけで買った甲斐はあったのでよし。

太陽のプロミアをポチるのは一旦延期になったけれど、小春担当のライターさんが活躍しているのならばその内買いたい。SEVEN WONDER、覚えましたし。

テンション高い童貞が主人公の次回作マダー?(・∀・)

ひめごとユニオン ~We are in the springtime of life!~


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