2013/11/17

ものべの -happy end- 感想

ものべの happy end

『ものべの -happy end-』

Lose

★★★★★


まいてつ&ものべの 仲良しセット 第3刷
amazon

総評

Loseによるものべの -happy end-は、世紀のガチロリ大作である。
シナリオ量:5.2M程、CG数:344枚程度、シーン数:全77場面(公式サイトより)……さらには、ヒロイン3人中2人の容姿が幼く、また残りの1人は縮む上、サブキャラ幼女を7名追加、それら全員を容赦なく脱がす。Loseというメーカーの気概には目を見張るものがあります。

単にロリを積み上げただけでは決してなく、田舎を舞台にした伝奇混じりのストーリーにも力が入れられており、「幼女と地域信仰の関連性」などといった考察も可能なのではないかと思わせるくらい設定が細やか。特にすみルートはロリコンのためのゲームという事実を忘れるくらいの出来でした。

本作のもう一つの特徴はHシーン
普段は知的で穏やかなお兄ちゃんの主人公透ですが、ひとたび性欲が顔を出せばとんでもない変態へと変貌します。それは単に実妹に手を出すロリコンという意味ではありません。それを含めてあらゆる方面に全力で変態なのです。
しかもテキストのテンションが高いせいで異様な疾走感があります。ものべののロリは、疾走する。

大ボリューム、ロリ、キャラクター、田舎、Hシーン……これら全てがものべのの魅力。ロリだけでは終わらないロリゲーなのです。

ワタクシゆず茶は幼子よりもおねーさんを好むタイプのえろげーまーですが、そんな自分でも十分に楽しめる、とても素晴らしいエロゲでした。五つ星あげちゃう。
(ちなみに何故コレに手を出したのかというと、懸賞で当たった無印版を最近プレイして気に入ったからです)

なお、本作は無印版『ものべの』のFDではなく、言うなれば旧作の修正版+フルプライスFDという製品です。そのため新規ならば超お得、既プレイ者でも満足いく内容と思われます。


――以下、ネタバレ無しの長文感想へ続く。
シナリオ

田舎で幼女や妖怪と戯れるお話。
序盤はのんびりまったり癒し系、途中から伝奇にシフトし、ヒロイン3人の各個別ルートへ分かれ、一定の決着を見た後にアフタールートへと突入、という構成のザ・田舎ゲー。

事態が動き出すまでのまったりモードが結構長く、田舎の雰囲気は満喫できるものの最初は少しタイクツかもしれません。そのせいで無印版では後半が短く感じたものでした。

しかしリライト&大幅追加された今作は話が別。追加分を合わせて一つの物語として見た場合、後半の分量が倍化して前述の欠点を覆い隠しました。

良かったのは何と言ってもすみルート
すみルート以外はどこまでいってもロリなのだけれど、この話だけ突き抜けてます。
無印で何かと物議を醸したエンディングが今作制作のそもそもの発端で、ハッピーエンドへ至るため書き起こされた新たな旅路が実に面白かった。
舞台設定を十分に使い、色々なキャラクターに活躍の場を与えた「むこうの」への旅、愛らしき娘えみ(CV:桐谷華)、幕間の飛車角の前日譚、そして迎えるハッピーエンド――どの内容もハイレベルで、後に残る余韻が半端無くて、えみがかわいくて、すみが聖母で、とっても良かったです。

夏葉ルートは年端もいかない妹に欲情するお話w
と言っても意外に夏葉(大)の出番が多く、夏葉(大)派としては大勝利ではあるのだけれど、このゲームを購入した大多数の紳士的には微妙な気がしなくもない。ウーム。

ありすルートは一番控えめ……かと思いきや、最後に新キャラご開祖ちゃんがほとんど持ってったでござる。ちょっとー! せっかく縮んだありすの立場は!? ってかご開祖ちゃんルートまだー!?

キャラクター

すみ>飛車角>>>夏葉(大)>ありす>ご開祖ちゃん=えみ>右女郎>とおこさん>いづものみこ>ナナ様>(以下略)

なんか飛車角の位置がおかしいけど仕方ないんです。カッコよすぎたんです。
飛車角のおかげでものべのに一本スジが通りました。(卑猥な意味ではありません)

一番お気に入りはすみ。すみちゃんかわいいよすみちゃん。
幼子のような姿をした家守妖怪あかしゃぐま。佐倉江美さんの演技も相まって、まるで聖母のような優しいキャラでした。うちにも来てほしい一家に一人すみちゃん。とっぱらの美影さんといい、主人公専属妖怪は実によいものだなぁ。
まぁそんな母性溢れるすみも、Hシーンではロリロリしい格好で尻穴にガラガラ突っ込まれてたりするんですけどね。(゚Д゚)。

夏葉は純真でかわゆい幼子。でも僕は夏葉(大)ちゃん!
ちょっと面倒くさい子なんだけど、そういうお年頃なのでしょう。
夏葉はちっちゃい時も大きい時もパジャマ豊富なところが実によろしい。夏葉(大)のずぶ濡れパジャマを見た瞬間に神ゲーだと確信しましたね。(ドヤ顔)

ありすはとても素敵な「隣の家の女の子」。ヒロインというか隣人、主人公達の良き理解者という印象が強かった。オシャレで積極的な女の子で、恋のライバルといえば幼女の実妹と幼女の妖怪くらいときたら、普通に考えて嫁はありすで決まりってなもんですが、ここはものべの。そうは問屋がおろしませんでした。
作品全編通してありすさん苦労しすぎやで。

新キャラのえみ、ご開祖ちゃん、ナナ様もとても魅力的でした。
えみかわいいよえみ。あざとい娘キャラに桐谷華ボイスが冴え渡る!
ご開祖ちゃんはずるい。ナナ様は初見で度肝を抜かれたけどかわいいからOK。
全員きっちり脱ぐのがものべのの素晴らしいところよね……。(えみはさすがに本番無いけども)
あといづものみこ様が何気に結構好き。エロ無しでも問題無い方向の好き。

とおこさん。とおこさんも好きー。
すみの次に母性キャラでした。( ゚∀゚)o彡゜。
でもやっぱり縮むんだけどな! 優しくて頼れるお姉さんなとおこさんを縮めるという発想はものべの独特のものですよね。そもそも縮むのがおかしいという指摘はさておいて。

そして右女郎ちゃんですよ。コイツは伏兵もいいとこw
ロリ女郎のかわいらしい見た目もさることながら、一色ヒカルさんの演技が楽しすぎたw いとテンション高し! げにテンション高し!(力いっぱいの声で)

なお、主人公の透ボンは変態すぎたため触れないでおきます。


Hシーン以外主人公ボイス有り。いっそのことHシーンにもボイスつけてほしかったなァ……。(怖いもの見たさ)
透ボンの声は、全体的にちょっと大仰というかいっぱいいっぱいな感じがしました。でもキャラ的に間違ってはいないかな。

夏葉役の杏子御津さん、量は多いわ年齢別に3役あるわ一年空いたわで大変だったのか、演技が安定していませんでした。結構気になったのだけれど、まぁさすがにお疲れ様ですということで。
声色としてはやっぱり聞き慣れた夏葉(小)が好きかな。

他はもう言うこと無しでございます。
特に印象的だったのは、滝女郎・左女郎・右女郎で見事な演じ分けをした存在感抜群の一色ヒカルさん。安定のかわしまりのさん。俺達の桐谷華さん。どこか味のあるうたれちゃん役の早瀬ゃょぃさん。男・飛車角役堀川忍さん。最近脳内声優ランキングで順位を上げているヒマリさん。そして、聖母すみ役佐倉江美さん。とっても良かったです。というか好みです。

CG

枚数がおかしい。344枚て。無印の分も含むとはいえ、半端無い量。
80枚超が普通のエロゲとすると、約4本分ですね。お得!
塗りの質が落ちるようなこともなく。原画家さんもCGスタッフさんもマジお疲れ様です。

また、背景が超クオリティなんです。まさしく田舎、綺麗な田舎

さらにさらに、立ち絵のお着替えが多いのも特筆もの。
ありすと夏葉は私服が5種類以上あるよ!(゚Д゚)。
「エロゲヒロインは毎日同じ服着てる」とか言ってる奴はちょっとものべの行ってこい。ロリは遠慮したい? なぁにすぐ気持ちよくなるって!

パジャマ

ヒロイン全員パジャマ・パジャマH完備(すみは襦袢)、夏葉(小)に至ってはパジャマが夏冬の2種ある……ありがとうございました!(ふかぶか)

H

話が面白いとか、キャラがかわいいとか、そんなモンは二の次だ! エロをよこせエロを!
という男らしい要望に応えるかのように、全77シーンという大量のHシーンをお届けするものべのhe。透ボンも全力の変態行為で頑張ってくれます。

ただし、ヌキゲーとして使えるかどうかは別問題。まず幼女という高きハードルは鍛え抜かれた紳士ならばいと容易く越えられたとしても、透ボンの常軌を逸した変態行為と、特徴的なテキストが待ち構えています。
キャラクターの感情や感慨がダイナミックに伝わる勢いの良いテキストと台詞回しはもはや面白いの一言。ものべのを疾走するロリに右手が追いつくかどうかはプレイヤー次第です。

ちなみにゆず茶は爆笑してしまいロリコンの扉を開くどころじゃありませんでした。超楽しかった!(エロゲとして間違った使用方法)

音楽

ボーカル曲数が9曲。アルバム作れるじゃないすか……((((;゚Д゚)))
公式サイトに掲載されている7曲の他、氷青さんが歌っている曲があったり。全て製品同梱のボーカル音源集に収録されているのが嬉しい。

BGMは和風テイストなものが多め。派手さは無く、落ち着いていたり控えめだったりな良BGM。

システム

演出面も実に豪華で、リップシンク搭載しています。スタッフ無理すんな。
イベントCGを回転・ズームする手法もなかなかお目にかかれない貴重な演出。最近は斜め構図極まるCGが氾濫しているので、回転を駆使する演出はユーザーの首に優しいと言えるでしょう。もっと使ってもいいのよ。

場面選択システムもセーブいらずといった便利さ。シークバーとプレビュー画面があるのが高得点。

まとめ

ビジュアル面やシステム面で巷のエロゲの一歩先を行くクオリティのみならず、数本分のボリュームを誇る、規格外のエロゲです。加えてキャラも話も良いときたらもう。
最高にロリであり、面白いHテキストというハードルは歴然と存在するものの、それらを許容できたならば、溢れる幼女と綺麗な田舎の情緒を楽しめる有意義な時間が得られます。

あえて難点を挙げるとしたら主人公。慌てがちで少し落ち着きのないところが人によってはウザく感じるかもしれません。
それと、話が良いと言ってもシナリオゲーよりも雰囲気ゲーの方が近く、すみルート以外のシナリオはそこそこレベル。最高評価に至ったのは、ボリュームやビジュアル面等、シナリオの上に積み上げたものの役割が大きいです。

それにしても、自分がガチロリゲーに手を出すどころか、まさか最高評価をつけた挙句、次回作を心待ちにしようとは夢にも思わなかった。ものべののおかげでロリに目覚めたとは言えないけれど、確実に何らかの防御壁を破壊されました。
たまにはロリも……いいね!(爽やかな笑顔で)

ものべの外伝・えみとうたれの大冒険マダー?(・∀・)



(2017/3/14 加筆・修正)

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21:58  レビュー | Comments(2)
Comment
No title
『「幼女と地域信仰の関連性」などといった考察も可能なのではないか』

『夏葉(大)のずぶ濡れパジャマを見た瞬間に神ゲーだと確信』

この辺を大変参考に拝読させて頂きました。
年末の一本に今度買ってきます。
>B2Fさま
> 『「幼女と地域信仰の関連性」などといった考察も可能なのではないか』
>
> 『夏葉(大)のずぶ濡れパジャマを見た瞬間に神ゲーだと確信』
>
> この辺を大変参考に拝読させて頂きました。

ああっ、本文中で最もテキトーに書いた部分を!?

や、でも、いわゆる名作シナリオゲーのようにガチ考察に耐えうるかはわかりませんが、でも舞台設定は驚くほどきっちり固めていたと思います。調べたら高知県物部村と現地に伝わるいざなぎ流という地域信仰が元ネタだとか。
(元ネタに幼女が関係しているかどうかは知りませぬ)

某誌の愛読者であられるちかにーさんならばきっと満足ゆくロリゲーかと思います。
田舎の描写はちょっと綺麗すぎなんですけどね。実に癒されました。(*´ω`)。

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