2014/11/25

あねよめカルテット 感想


あねよめカルテット 初回版
amazon.gif

『あねよめカルテット』


CandySoft
発売日:2014/10/31


☆☆☆


CandySoftの新作お姉ちゃんゲー『あねよめカルテット』コンプリートしました。
ニボシの女体化はありませんでした。(ネタバレ)

総評

今年一番のハズレきたー!(・∀・)!
と思ったら、長女ルートとおまけのサブルートは結構良かった。惜しい。

お姉ちゃんたちは皆かわいい。でも長女が全部持っていった由梨奈ゲーです。その他の小娘が束になってもかなわないおしり……もとい魅力が由梨奈お姉ちゃんにはありました。
ぱんぱかぱーん☆な次女、メイド姉、悪戯っ子四女が目当てだと絵だけの凡ゲー以下の満足しか得られないかも。

何が問題かって、次女以下は「お姉ちゃんゲー」の魅力が感じられないところ。
ゆるふわお姉ちゃんに甘やかされてエッチなことを楽しむ癒しゲーかと思いきや――
物静かなお姉ちゃんとしっとりエッチないちゃラブライフを送れるのかと思いきや――
生意気なお姉ちゃんをメロメロにさせてエロいことを楽しめるニヤニヤゲーかと思いきや――
みたいな。
どうでもいいところで意表を突いてきて、結果的に満足度に結びつかない残念な出来。

しかし由梨奈ルートはさすが長女と言うべきか、実に素敵でかわいいお姉ちゃんとのエッチな恋愛が満喫できる良い出来。
Hisasiさん絵も想像以上のクオリティで大満足。ぼくはゆりお姉ちゃん!(´∀`)!

フルプライスよりも少しお安い価格ながら、サブキャラも攻略でき、お姉ちゃんズとのハーレムHも楽しめるところはお得感あり。


由梨奈ルートをプレイするまで評価は☆二つあるいは一つもあるか状態だったのを、長女とサブ子さんがぐぐっと持ち上げてくれました。絵だけゲーと切り捨てるのは簡単ですが、ここはゆり姉のおしりに免じて、それなりに満足できるエロゲだったと寛容に受け止めたい。ふぅ……。

――以下ネタバレ有りの長文感想へ続く。
シナリオ

ヌキゲーに近い萌えエロゲーであることは発売前からわかっていたし、名のあるシナリオライターの意欲作というわけでもなし、別にシナリオに期待はしていなかった。していなかったのに、ガッカリした時はどうしようかと。

メインライターの佐々宮ちるださんといえば、同ブランドの名作「姉、ちゃんとしようよっ! 2」のノベライズを担当されており、ワタクシゆず茶も遥か昔に読んだことがあってひそかに馴染み深いお名前でありました。ちなみに歩笑ねーたん派です。(どうでもいい自己主張)
そのイメージで言えば、原作には及ばないもののそれなりによい姉ものを書くお方という印象で、それがついにCandySoftの姉ゲーを! と期待してないと言いつつちょっぴりwktkしながらプレイした本作。
ちるださんが担当された……かどうかは不明ながら、由梨奈ルートは素直に満足のいく出来でした。

でも、その他がね……。
そもそも全体的に何をしようとしているのかが不明瞭なのです。
由梨音はきちっと姉ものの恋愛ゲーしている。
次女三女は明らかにヌキゲーの方向。
四女は……何だろう。まあ何でもいいや。

最初に選んだ杏ルートをプレイし終わった時、このゲームをアンインストールしなかった理由が自分でもわからない。今思えばそれは奇跡的な英断であったのだけれど。
なんでショッピングモールのクジ引きでピンクローターが当たるんですかね……。コミケのシーンも色々とキツかった。
共通から個別に入った時も時空が消し飛ばされたのかと思った。いやまぁ最初から好感度マックスだったのはわかるけど、何かしらきっかけってのが欲しいよ。いくら弟大好き素直になれないお姉ちゃんでも、ある日突然股を開いたりはしないよ。お兄ちゃんかなしいよ。

その後の変態お姉ちゃんコンビは、コレジャナイ感に苛まれたものの、コメディ寄りのヌキゲーとして見ればまぁそれなりではありました。

癒されるはずが逆にささくれだった心を癒してくれたのは、本命として最後にとっておいた由梨奈お姉ちゃん
思えば共通部分でも豪快に全裸になっておっぱい吸わせてくれたのがゆり姉だった。若手で揃えた声優陣の中、屈指の実力派であるメイメイさん演じるゆり姉。何故か一人だけ幼女時代のエロシーンがあるゆり姉――
キャラクターの魅力も、由梨奈を主人公が支える展開も、するっと自然に楽しめる良い出来。大変気持ちよくプレイできました。シナリオにもCGにも一番力が入っていたと思います。

おまけのみなもルートとハーレムルートは本当におまけレベルの長さ。
みなもルートは由梨奈ルートから引き続き良かったです。ただ、最後、彼女としてお姉ちゃん達と家族に紹介するその直前で終わるのはどうなの!? それめちゃ見たかったんですけど!? コウキが彼女連れてきたー! ってドタバタとほっこりなシーンを楽しみたかったよ!!

キャラクター

由梨奈>みなも>>>その他

長女が一番えらくてすごくてかわいいのは世界の掟なんです。ゆり姉好き。
家ではガサツ外ではキャリアウーマン、意外と優しくて包容力があって、でも実は純情で甘えたがりな良いお姉ちゃん。短いシナリオの中で過去話も絡めてキャラを掘り下げていたのは上手い。
おまけにメガネ着脱可能。さらに細かいことを言うと、メガネがアンダーリムじゃないハーフリムって二次元絵では極めて珍しい。
他の姉は「ヌキゲーのお姉ちゃん」なんだけど、ゆり姉は恋愛もののヒロインな感じがする。ってのは贔屓目かしら。
それと「ちょっと待って、セックスしてから考えるわ」は名言だと思います。(尊敬の眼差し)

次女、桃音
ダダ甘の癒し系お姉ちゃんと見せかけた変態だったでござる。(゚Д゚)。
CVが微妙にキャラからズレ気味で、この人はもっと元気な役の方が似合うんじゃなかろかなんて思いきや、これだけハジけてるならアリかもだったw ただ、隠れ腐女子とかコミケとかって要素はあんま好きじゃないのよね……。
ともあれ意外性のあるキャラでした。

三女兼メイドの桜織
謎のメイド設定の背景はとても些細なことで、半分ギャグで半分切実な事情でした。そういうのもありでございますね。あっさり解決するのはグダグダやられてもアレなのでまあよし。
テキストのテンションが高く、初Hの疾走感が気持ち良かったです。(意味深) 主人公の「自分で動くよりお任せした方が気持ち良い」という男の矜持ブン投げ発言は実に弟らしくてイイネ!
髪下ろした姿が実に大人っぽい、と同時に地雷女っぽい、実に絶妙なビジュアルでした。(・ω・)b。

末女のちゃんはシナリオが残念すぎた。
キャラ崩壊気味だったような……単なる雌奴隷やないか。
仲間とゲーム作ってる場面だけは結構好き。『つよきす』とかのCandySoftっぽくて。

サブヒロインは学園の先輩みなも
みなもルートはよその知らない子に弟を取られるお姉ちゃん目線のNTRも満喫できて一石二鳥、おまけにお姉ちゃんたちのパジャマ会議も楽しめる大正義ルート。しかしまさか健全なデートから突然飲尿が始まるとは思わなかったぜ……。
すぐ終わったのは残念だけれどルートがあるだけありがたいことでございますね。

おまけのサブキャラ枠。
悪友のリクは案外イイ奴、でもボイスが良くなかった。申し訳ないけれどこれはナシですわ。
両家の両親もいい人たち。特に由梨奈ルートの親父さんは男前だった。
そして、ニボシ……なぜ喋ったしw ちょっとだけ(エロを)期待しちゃったじゃないか! やっぱゆきちゃんが最強だな。

CG

Hisasiさんは新鋭の人気エロ漫画家というイメージしか無く、作品を読んだこともありませんでした。が、めちゃくちゃ上手いすねこの人……エロゲ初原画とは思えない安定感とクオリティ。横長画面限定という制約を感じさせない実にエロい構図、そしてエロい女体。身体のむにむに感とか立派なおしりとかたまんない。ハンパ無い。
塗りが本人と違うのでファン的にはアレかもしれないけれど、それも決して悪くないしそこそこ合ってたと思います。
Hisasi原画のエロゲ、また出してほしいな。

綾瀬はづきさん絵もスーパーエロかわいいので大好きなんですが、かみデレに続いて今回もエロの構図がもう一歩な感じがする。
でもやっぱりまた新作が見たいです。(ファン)

音楽

絵と並んでこの作品の大きな魅力はBGM。
インディーロック的なギターサウンドBGMが超素敵。ズボンを下ろしていることも忘れて思わず聴き入ってしまうよ。ギターの音がいかにもアマチュアって感じなのがまた良いw
何故かクレジットに音楽担当の名前が載っていなかったり、音楽鑑賞モードに無い曲があったり、謎に満ちております。それはともかくバンドサウンドBGMよもっと増えろ。

システム

F5キーを押すとミニゲームが始まるCandySoftの伝統は健在。毎回言ってるけどこれ好きなんです!
今回は迷路パズルとでも言うのかな。クリアするとHisasiさんのラフ画が見られる特典つき。

微妙に進化し続けているCandySoftのシステムについに「次の選択肢へジャンプ」と「前の選択肢に戻る」が搭載されました。ありがたい。
あとはバックログからのシーンジャンプだね!

H

BGV(バックグラウンドボイス)、射精カウントダウン、陰毛オンオフ有り。
卑語修正無し、尻穴モザイク無し。
ヌキゲーとしての便利な機能が揃っています。

特筆すべき事項として、赤ちゃんプレイが挙げられます。
攻め(女性赤ちゃん)受け(男赤ちゃん)の2シーンが存在する、赤ちゃんプレイ好きには嬉しい作り。そしてそれは興味の無い人には2倍キモチワルイ。

他にはコスチュームプレイが多め。ナース、ブルマ、メイド服、裸エプロン、亀甲縛り、ウェディングドレス、白無垢など。

また、多くのシーンで全裸を選択することが可能だったり、キャラによっては眼鏡の有無や髪を下ろすか否かも選択できるというサービスの良さが光る。眼鏡スキーにはたまらんのではないでしょうか。

まとめ

7割方は凡作絵だけゲー、残りは良作な内容でした。
由梨奈目当てだった自分は九死に一生を得た思いでコンプリートしたわけですが、そうでない人にとっては数あるエロゲから本作を選択する理由に乏しいと言えそう。それにシナリオボリュームがカツカツな感じがして窮屈。

バリエーション豊かで自由度が高く美麗なCG、新鮮なBGMなど、光る箇所はいくつもあり、駄作と切って捨てるには惜しい。さらに由梨音は良お姉ちゃんだし、何故かおしりアングルが目立つ俺得要素も。

全体的に、中途半端にCandySoftらしい面白さみたいな部分に囚われている印象を受けました。一兎をも得ず、とでも言うか。
「姉もののエロ重視のエロゲを作るのだ」と決めたなら、姉スキーの理想を追って自由に作ってほしかったところ。姉妹ブランドの『隠恋ぼ』のように。

CGやサービスの良さなんかは好感度高いので次回作に期待しています。

同原画陣の新作マダー?(・∀・)

あねよめカルテット 応援バナー


 >>レビュー目次へ
00:47  レビュー | Comments(2)
Comment
No title
此方でははじめまして。

拝見していて頷きが止まらない感想でした。
声優さんには大変申し訳なく思いますが、陸のボイスナシは自分だけじゃない!とちょっと安心。
折角結婚→新婚初夜エピローグ的な美しい流れがあるので、由梨奈ルートみたいに皆が恋愛してたら全然違った気がします。

それではー。
>清流さま
どもですーはじめまして!
エロゲの話ばかりなゆず茶です。(やや本当)

> 拝見していて頷きが止まらない感想でした。
> 声優さんには大変申し訳なく思いますが、陸のボイスナシは自分だけじゃない!とちょっと安心。

ご同意いただけて嬉しいです。やっぱりゆり姉最強ですよね。エロよし萌えよしシナリオよしの優秀な長女、それに比べて下の子たちときたら……(世間話をするオカンの体で)

陸のボイスは、頑張ってるのはわかるんですが、厳しかったですね……。そもそも何故女性が声をあてているのかが意味不明w おやっさんたちみたいに素直に男性をあてておけばあんなことには。
なんだか色々な面が全然達成できていない印象の作品でした。もったいない。

管理者のみに表示